Go to contents

「トランプ氏の人種差別発言が犯罪を煽る」 銃乱射事件で激しい責任論

「トランプ氏の人種差別発言が犯罪を煽る」 銃乱射事件で激しい責任論

Posted August. 06, 2019 09:56,   

Updated August. 06, 2019 09:56

한국어

相次ぐ銃乱射事件で、トランプ米大統領に対する批判が強まっている。大統領の人種差別発言が白人優越主義者の「憎悪犯罪」を煽っているという指摘だ。特に、トランプ氏は3日のエルパソでの事件の後にニュージャージー州のあるゴルフ場にいたことが明らかになり、批判を受けている。銃問題が来年の米大統領選の主要争点になる可能性も高まっている。


●オハイオ惨事、犯人は白人男性

AP通信などによると、4日未明、米中部オハイオ州テイトンで発生した銃乱射事件の容疑者は24歳の白人男性だ。警察が事件発生から1分も経たずに容疑者を射殺したが、死亡者はなんと9人(容疑者含めず)、負傷者は27人にのぼった。特に死亡者には容疑者の妹(22)も含まれている。警察は、容疑者が銃をネットで注文し、犯行時に大容量の予備の弾倉、少なくとも100発の弾丸、防弾服、耳の保護装具などを着用したと明らかにした。当初から大量殺傷を意図したことがうかがえる。

容疑者は、テイトン南東のペルブルック出身で、2017年にテイトンのあるコミュニティカレッジで心理学を勉強したが、すぐに辞めた。メキシカン料理チェーン「チポリ」などで働いたが、定職には就いていなかった。一部のメディアは犯行の動機に妹との対立の可能性を提起した。しかし、正確な犯行動機はまだ明らかになっていない。


●火がついたトランプ責任論

3日、南部テキサス州エルパソのウォルマートで起こった銃乱射事件では、現在までに死亡者20人、負傷者26人。特に容疑者の21歳の白人男性が、ヒスパニック移民を狙ったという情況証拠が次々に出て、人種対立への懸念が広まっている。米紙ワシントン・ポストなど主流報道機関と野党民主党は、大統領の相次ぐ人種差別発言が今回の事態を招いたと非難した。トランプ氏は先月14日、民主党の非白人女性議員4人に対して、「国に帰っては」と発言した。同月末には、黒人が多いメリーランド州の最大都市ボルティモアを「ネズミだらけの巣窟」と非難した。

エルパソ出身の民主党大統領候補のペト・オルーク前下院議員はCNNに出演し、「大統領は白人優越主義者と考えるか」と質問され、「そうだ。トランプ氏がけしかけている」と述べた。また別の候補の、ピート・ブーテジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長も、「白人優越主義のテロリストは大統領から(攻撃の)承認を受けたと感じるだろう」と指摘した。ジェームズ・コミー前連邦捜査局(FBI)長官は、米紙ニューヨーク・タイムズに、「大統領は、ツイッターで哀悼を示すレベルを越えなければならない。人種主義のエネルギーを煽って利用することはやめろ」と一喝した。

白人優越主義者の「自生的テロ」が集団化、組織化しているという診断もある。ジュリエット・カイエム元国土安全保障次官補は同日、ワシントン・ポストに、「ローンウルフ(一匹狼)が集団化している。米国に重大なテロの脅威だ」と主張した。同紙によると、2018年の一年だけで米国内の右派極端主義者などがかかわった殺人犯罪は少なくとも50件にのぼる。1995年以降23年間で最多だ。

トランプ氏は4日、自身を防衛するかのように、ツイッターを通じて連邦政府の対応を詳細に伝えた。トランプ氏は、全官公署に弔旗の掲揚を指示したことを伝え、「今回の事件は臆病者の行為だ。憎悪犯罪を非難するすべての人と共にする」と主張した。マック・マルバニー大統領秘書室長代行もABC放送に出演し、「(精神的に)病んだ人々が起こしたおぞましい事件だ。惨事を政治化するな」と述べた。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 ニューヨーク=パク・ヨン特派員 lightee@donga.com · parky@donga.com