Go to contents

ノーベル文学賞受賞のフォッセさん「本を読めば人生が新しく見える」

ノーベル文学賞受賞のフォッセさん「本を読めば人生が新しく見える」

Posted April. 25, 2024 08:53,   

Updated April. 25, 2024 08:53

한국어

「本を読みたくなければ、無理して読む必要はありません。しかし、すべての偉大な作品を通じて、私たちは人生を少しは新しい目線で見るようになり、またもっとよく理解するようになると思います」

昨年のノーベル文学賞受賞者であるノルウェーの劇作家ヨン・フォッセさん(65)は23日、ソウル鍾路区光化門(チョンノグ・クァンファムン)の教保(キョボ)ビルで、韓国の読者たちと画像懇談会を開き、このように述べた。

「世界の本と著作権の日」を迎えて読書の重要性を強調したのだ。フォッセさんは「本を読めば人生をもう少し強力な方式で感じることになるでしょう」とも話した。この日のイベントは、大山(テサン)文化財団、教保文庫、駐韓ノルウェー大使館が共同開催した「2024朗読共感-ヨン・フォッセを読む」行事の一部だった。200人余りの読者が参加した中で司会を務めた文学評論家のチョン・ヨウル氏が読者たちの質問を代わりに伝え、フォッセさんは約1時間にわたって答えた。

1959年、ノルウェーの海岸都市ハウゲスンで生まれたフォッセさんは、1983年、小説「黒と赤」で作家としてデビュー。孤独で荒涼としたピオルを背景に平凡な漁師が生まれて死に向かって近づく過程を淡々と解きほぐした劇作「朝そして夕方(日本語訳題『だれか、来る』)」(2000年・文学トンネ)など、主として死を扱った。

フォッセさんは、「死は事実上、皆にとって同じ意味だ。死後は分からないが、確かなことはいつか死ぬという事実」とし、「生者と死者の間の距離がそれほど遠くない」と語った。

フォッセさんは戯曲、小説、詩、エッセイ、童話など多様なジャンルをわたって多くの作品を書いてきた。フォッセさんが書いた戯曲が世界の舞台に900回以上上がって「人形の家」を書いたヘンリク・イプセン(1828~1906)の次に多くの作品が上演されたノルウェー劇作家に挙げられる。フォッセさんは、「最初は生計のために戯曲を書いたが、ジャンルを行き来することが作家の人生をむしろやりやすくしてくれるようだ」と言い、「戯曲を書く時に小説と詩の作業で学んだことを適用することができる。これを合わせて新しい言語を誕生させることができるようになった」と述べた。

独特の韻律を持つ文章を書く理由を尋ねると、「文章自体が私にとっては音楽」と答えた。チョン氏が、「あなたの文学から深い慰めをもらう」と話すと、フォッセさんは子供のように明るく笑って答えた。「私の作品はそれほど面白い本ではないと思います。しかし、(私の本が)慰めになるなんて、本当に嬉しいです」。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com