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金融危機前よりさらに進んだウォン安ドル高、「3高」を煽る

金融危機前よりさらに進んだウォン安ドル高、「3高」を煽る

Posted April. 22, 2024 08:54,   

Updated April. 22, 2024 08:54

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対ドルウォン相場が今年に入ってから7%以上ウォン安ドル高が進み、ただでさえ物価高で苦しんでいる国民経済を脅かしている。このようなウォン安ドル高は、国際通貨基金(IMF)の通貨危機と世界的な金融危機に見舞われた1997年と2008年当時の年明けのウォン安ドル高を上回っている。

最近の急激なウォン安ドル高を、過去のような危機の前触れ現象と断定することはできない。米連邦準備制度理事会(FRB)の金利高の長期化と中東不安が重なった世界的な「キングドル」(強力なドル高)現象にともなうものであるためだ。だが、対外依存度の高い韓国経済は、金利高や物価高、ドル高という「3高の危機」に常に脆弱だった。総選挙後、「民生」を国政最優先課題として掲げた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府が舵をきちんと取ることができなければ、波にさらされ再び経済危機に見舞われる恐れがあるという懸念が出ている。

21日、韓国銀行(韓銀)によると、19日1ドル=1382.2ウォンで取引を終えたウォン相場は、昨年末(1288.0ウォン)比7.3%ウォン安ドル高が進んだ。これは1990年3月に、市場平均為替制度(外国為替取扱銀行がウォンとドルを売買する相場によって為替相場を更正する制度)が導入されて以来、最大のウォン安ドル高となる。通貨危機を控えた1997年1月1日~4月19日の為替レートは5.8%のウォン安ドル高に止まった。グローバル金融危機が起きた2008年同期は6.8%ウォン安ドル高が進んだ。同年9月、米投資銀行のリーマン・ブラザーズが破産を申請し、グローバル金融危機が本格化した。

これに先立って16日、対ドルウォン相場は17ヵ月ぶりに取引中1ドル=1400ウォンを超えた。最近、ドルに対するウォン相場が急激に進んだのは、基本的にドル高によるものだ。米国経済が強固な消費と雇用を基に「一人で好況」を享受し、米FRBの金利引き下げが遅れるだろうという予測が大きくなったためにドル高へとつながった。さらに、イスラエルとパレスチナとの武力衝突に続き、イスラエルとイランとの衝突など地政学的危機が高まったことも、安全資産であるドル需要を煽った。

キングドル現象が世界中で現れる中、ウォン安は実際のドル高よりさらに進んだことが分かった。主要6ヵ国の通貨比ドル価値を示すドルインデックスは、今年に入ってから今月19日まで4.7%通貨安が進んでいる。ウォン相場は2.6%さらにウォン安が進んだのだ。

梨花(イファ)女子大学のソク・ビョンフン経済学科教授は、「韓国は特に原油を全量輸入する国であり、中東情勢が不安になったことで原油高による打撃をより多く受けるため、ウォン安が進むしかない」と説明した。


シン・アヒョン記者 abro@donga.com