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ガルーチ元米国務次官補「北朝鮮の初球はカーブ、『軽水路カード』は予想できなかった」

ガルーチ元米国務次官補「北朝鮮の初球はカーブ、『軽水路カード』は予想できなかった」

Posted March. 30, 2024 09:04,   

Updated March. 30, 2024 09:04

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「野球の試合に例えるなら、初球のカーブボールのように予想外だった」

第1次北朝鮮核危機が発生した1993年7月、当時米朝高官級交渉の代表だったロバート・ガルーチ米国務次官補(写真)は、ジュネーブの韓国代表部大使と会ってこのように語った。北朝鮮が提示した「軽水炉カード」と関連してこのような本音を吐露したのだ。韓国外交部は29日、このような内容が含まれた外交文書2306冊(約37万ページ)を公開した。これらの文書は生産されてから30年が経過し、秘密指定が解かれた。特に、今回公開された文書には、北朝鮮の核拡散禁止条約(NPT)脱退宣言で引き起こされた第1次核危機当時の米朝間の交渉内容が含まれており、注目を集めた。

文書によると、ガルーチ氏は93年6月、北朝鮮の姜錫柱(カン・ソクチュ)第1外務次官と3回の高官級会談の後、韓国政府に関連内容を説明した。ガルーチ氏によると、北朝鮮はこの軽水炉提案が「金日成(キム・イルソン)の構想」だと話した。ガルーチ氏はまた、「(北朝鮮は)現在運用中の原子炉、建設中の原子炉及び核兵器施設(再処理施設)をすべて廃棄する用意があると明らかにした」とし、「北朝鮮側の提案は核不拡散に向けた進展と見ることができるので、悪くないと見る」と評価した。

今回の文書では、韓米が北朝鮮のNPT脱退を阻止するために、93年11月のチームスピリット合同演習に中国、ロシアだけでなく、北朝鮮を招待することを検討したことも確認された。

文書には、当時政府が在韓米軍の核兵器配備の事実が盛り込まれた50年代の外交文書を公開するかどうか悩んだが、米朝核交渉に与える影響を懸念して最終的に非公開の決定を下した経緯も含まれている。

文書によると、92年当時、ロシアのエリツィン大統領は訪韓を控え、旧ソ連戦闘機に襲撃された大韓航空(KAL)旅客機のブラックボックスの原本を提供するという考えを盧泰愚(ノ・テウ)大統領に伝えたという。しかし、首脳会談では記録はなく、音声ファイルもコピーの資料だけを伝えたと、文書は明らかにした。


尹相虎 ysh1005@donga.com