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国連の北朝鮮制裁監視チームが解散、ロシアは犯罪が発覚し目撃者を殺害するようなもの

国連の北朝鮮制裁監視チームが解散、ロシアは犯罪が発覚し目撃者を殺害するようなもの

Posted March. 30, 2024 09:02,   

Updated March. 30, 2024 09:02

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国際社会の対北朝鮮制裁の履行を監視する国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁委員会傘下の専門家パネルの活動が来月末で終了する。北朝鮮制裁専門家パネルは過去15年間、安保理の全会一致で毎年任期を延長してきた。しかし、28日の安保理全体会議での採決にかけられた専門家パネルの任期延長決議案が、常任理事国であるロシアが拒否権を行使して否決され、北朝鮮監視体制が崩壊したのだ。今回の決議案の採決には理事国15ヵ国のうち13ヵ国が賛成し、中国は棄権した。

ロシアの拒否権行使は、北朝鮮との違法な兵器取引で対北朝鮮制裁を自ら違反した常任理事国が、その違反を監視する機構まで解散させた荒唐無稽な行為と言わざるを得ない。専門家パネルは、2009年の北朝鮮の2回目の核実験を機に発足して以来、船舶間の違法な積み替えや暗号資産の窃取、奢侈品の輸入などの対北朝鮮制裁違反を監視し、告発する制度的装置だった。ロシアは今回、一定期間が過ぎると効力が自動的に消える「制裁サンセット条項」を入れようと提案したという。完全な対北朝鮮制裁の無効化を試みてうまくいかなかったので、それを口実に監視機構を崩壊させてしまったのだ。

ロシアが対北朝鮮制裁を無力化する意図は明らかだ。ウクライナ侵略戦争用の兵器調達のための北朝鮮との黒い取引が発覚するや、そのような犯罪を告発する専門家パネルを完全に排除してしまったのだ。実際、先週公開された専門家パネルの報告書には、北朝鮮がロシアに兵器を供給した情況が盛り込まれた。黄浚局(ファン・ジュングク)国連大使は、「犯罪をして監視カメラを破壊するようなもの」と述べたが、ロシアの行為は自分の犯罪行為が発覚するや目撃者を殺害したも同然だ。

新冷戦の流れの中で、国連安保理は国際平和と安全の維持という核心機能をすでに失っている。ロシアはさらに一歩進んで国際秩序さえも乱暴に破壊している。ロシア・中国に接近して生命線を維持している北朝鮮政権にとっては喜ばしいことだ。制裁戦線に穴が空いたとはいえ、手綱が緩んだ北朝鮮をそのまま放置することはできない。国際的な連帯を通じて監視を一層強化し、同盟と友好国間の協力の下、「第3者制裁」など広範な遮断策を発動し、北朝鮮を締め付けなければならない。