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「世界唯一」明知大学囲碁学科が廃科へ

Posted March. 28, 2024 08:53,   

Updated March. 28, 2024 08:53

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「死んでも生き返ることができるのは囲碁だけです。その面白さが大きいです。しかし、最近の若い人たちはよく知らないようです。今は高齢者だけが囲碁をしています」

27日午後1時30分、ソウル市永登浦区(ヨンドゥンポク)永登浦洞のある棋院。43年間囲碁をしているというチョ・ウォングクさん(73)の言葉だ。棋院には高齢者20人が2~3人ずつ集まって囲碁をしていた。

このようなムードを反映するかのように、世界唯一の明知大学囲碁学科が来年から新入生を受け入れないことを決めた。明知大学は、25日に教務会議を開き、囲碁学科の廃科を決定したと27日、明らかにした。

1997年に開設された明知大学囲碁学科は、韓鐘振(ハン・ジョンジン)9段、梁建(ヤン・ガン)9段、李玟真(イ・ミンジン)8段など19人のプロ棋士を輩出した。しかし、大学側は経営悪化と囲碁をする若者の減少を理由に廃科を決定した。

ユーチューブの「ショート」(1分未満の短い動画)などの刺激的なコンテンツに慣れている若い世代にとって、囲碁は近づきにくい趣味として認識されている。会社員のキム・ドヨンさん(26)は「SNSにアップされた動画だけ見ても時間が経つのを忘れる時代」とし、「何気なく見ることができるコンテンツが多く、頭を使わなければならない囲碁にはあまり興味を持てなくなる」と話した。大韓囲碁協会によると、囲碁をする人口の推定割合は2000年の32%から今年19.4%に低下した。企画財政部は、昨年21億ウォンだった大韓囲碁協会の支援予算を今年全額削減した。

韓国の囲碁競争力が低下しかねないと懸念されている。最近、申真諝(シン・ジンソ)9段が中国・上海で6連勝して世界囲碁の新記録を樹立した中、この流れを逆行させるということだ。学科廃止確定後、韓国内の囲碁界ではこれをめぐって反対の声が続いた。

囲碁学科学生会長のキム・ハンギョルさん(24)は、「学生たちは廃科確定とは思っていない」とし、「(学生会レベルで)廃科反対運動を準備している」と話した。囲碁学科の教授たちも同日午後1時30分ごろ、関連会議を開いた。囲碁学科のナム・チヒョン教授は、「日本、中国から留学生が多く来ている状況で、廃科を決定したのは非常に残念だ」と話した。明知大学囲碁学科には、ドイツやフランス、ブラジルなど世界各国の学生が通っていた。ハンガリー出身の韓国棋院のプロ初段のディアナ師範も、欧州と日本で勉強し、2005年に明知大学に留学した後、08年にプロ棋士になった。

大韓囲碁協会は27日、「囲碁学科への進学を希望していた生徒の夢が踏みにじられることがないよう、関連機関と協議して代案を作る」と明らかにした。


イ・スヨン記者 lotus@donga.com