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再び4月16日、父の目で記録した「風の歳月」

再び4月16日、父の目で記録した「風の歳月」

Posted March. 28, 2024 08:53,   

Updated March. 28, 2024 08:53

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彼らの10年を世の中のどんな言葉で表現できるだろうか。セウォル号の惨事が、4月16日で10周忌を迎える中、惨事直後から今まで犠牲者家族が体験した10年の歳月を整理したドキュメンタリー「風の歳月」が来月3日公開される。映画は、セウォル号惨事の犠牲者であるムン・ジソンさんの父親であるムン・ジョンテクさんが直接撮った映像で制作した。セウォル号の遺族の話を、遺族が直接作った映画は初めてだ。

映画は桜が満開した安山檀園(アンサン・タンウォン)高校の全景から始まる。来るべきすべての暖かい春を失った子供たちと、輝く春のようだった子供を失った両親の姿が重なって、目頭が熱くならざるをえない。ムン氏は、直接淡々とナレーションを読み上げる。2014年4月16日、事故のニュースを聞いて檀園高校に集まった家族の姿から、全羅南道珍島郡(チョンラナムド・チンドグン)の彭木(ペンモク)港や国会、光化門(クァンファムン)、青瓦台(チョンワデ)まで、10年間、家族が涙を流した空間を全て追う。映画の合間合間には、まるで船の上にいるように揺れる画面も挿入された。

映画は、2014年8月からほぼ毎日遺族たちの日常を記録してきたムン氏の映像資料を基に作られた。ムン氏は、遺族のユーチューブチャンネル「416TV」の運営者でもある。整理された映像だけでも50TB(テラバイト)に達する。ムンさんと一緒に、ドキュメンタリーのキム・ファンテ監督が共同演出した。

ムン氏は26日に開かれた記者懇談会で、「『風の歳月』は心臓があってこそ見えるし、胸があってこそ聞こえる映画だ」と話した。氏は、「セウォル号惨事をよく知らない若年層が多く観覧してくれることを願う」とし、「(惨事に対し)国はどのように行動し、私は何をすべきか考えながら劇場を出られれば大成功だと思う」と話した。

「ある人はもうやめろと、ある人は胸に埋めろと言います。いつか子供たちに再び会う日、少なくとも両親は一所懸命にやったよと。子供たちに会う日に、そう言えることを願い、また願っています」


崔智善 aurinko@donga.com