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文献に記録あるだけの天文機器「南秉哲渾天儀」、170年ぶりに再現

文献に記録あるだけの天文機器「南秉哲渾天儀」、170年ぶりに再現

Posted March. 01, 2024 08:26,   

Updated March. 01, 2024 08:26

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韓国天文研究院は先月29日、文献だけで伝わっていた朝鮮後期の天文機器「南秉哲(ナム・ビョンチョル)渾天儀」(写真)を170年ぶりに再現したと発表した。渾天儀とは、地球や太陽、月などさまざまな天体の動きを再現し、位置を測定する機器だ。

南秉哲渾天儀は、朝鮮後期の天文学者、南秉哲が執筆した「儀器輯説」の渾天儀編に記録されている。1850年頃に発明されたものと推定される。南秉哲渾天儀の特徴は、場所を変えながら天体を観測できるということだ。従来の渾天儀は、観測の基準となる「北極高度」を観測地に合わせて一度設置すれば、これ以上変更できなかったが、南秉哲渾天儀はこれを調整できるようにしている。

南秉哲渾天儀に関する研究は、韓国天文研究院のキム・サンヒョク責任研究員が約20年前に始めた。2022年から関連研究チームが構成され、本格的な再現を進めてきた。研究チームは、「儀器輯説」の内容を科学技術的観点から翻訳して基礎設計を行い、専門製作業者と協業してモデルを再現することに成功した。キム責任研究員は、「過去の天文機器を再現することにより、天文記録の信頼性を高めることができ、私たちの先祖の優秀な科学文化財を蘇らせることができるということで、その意義が大きい」と明らかにした。

南秉哲渾天儀は今年下半期(7~12月)、国立果川(クァチョン)科学館で特別展示される予定だ。


チョン・ナムヒョク記者 forward@donga.com