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未成年の子どもを持つ性転換者、最高裁が性別変更を許可

未成年の子どもを持つ性転換者、最高裁が性別変更を許可

Posted November. 25, 2022 08:38,   

Updated November. 25, 2022 08:38

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未成年の子どもがいる性転換者にも性別の訂正を許可しなければならないと最高裁判所が初めて判断した。

最高裁判所全員合議体(裁判長・パク・ジョンファ最高裁判事)は24日、Aさんが家族関係証明書上の性別を『男』から『女』に変更することを求めて起こした登録簿訂正申請再抗告審で、Aさんの申請を棄却した原審を破棄し、ソウル家庭裁判所に差し戻した。最高裁は判事12人中11人の意見で、「現在、婚姻状態でなければ、性転換者に未成年の子どもがいるという理由だけで性別訂正を不許可にしてはならない」と明らかにした。性転換者の基本権と未成年の子どもに対する保護がバランスをとるよう様々な事情を総合的に考慮し、性別訂正の余地を設ける必要があるという趣旨だ。

2012年に結婚して2人の子どもを持つAさんは、性同一性問題で18年6月に妻と離婚した。Aさんは同年11月、タイで性転換手術を受けた。19年、Aさんは女性への性別変更を裁判所に申請したが、1・2審ともにAさんに未成年の子どもがいるという理由で許可しなかった。「未成年の子どもがいる場合、性別の訂正は許可されない」という11年の最高裁の判例によるものだ。

最高裁は、判決の理由に、性転換者が性同一性による性の法的確認を受ける権利があるという点、性別変更で子どもとの関係に重大な変化がもたらされない点などを挙げた。最高裁関係者は、「婚姻関係がないにもかかわらず性別変更を許可しないことは、性転換者が少数者として経験する疎外と苦痛を直視せず、社会的差別と偏見をさらに固着・内面化する結果をもたらす」と判決の背景を説明した。


權五赫 hyuk@donga.com