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雇用に背を向けて、最低賃金引上げのために「メール爆弾」を送った民主労総

雇用に背を向けて、最低賃金引上げのために「メール爆弾」を送った民主労総

Posted May. 12, 2021 07:57,   

Updated May. 12, 2021 07:57

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全国民主労働組合総連盟(民主労総)が10日から、最低賃金委員会の公益委員宛に辞任を求める大量の電子メールを送っている。民主労総は別のホームページを作り、「メール爆弾」送信キャンペーンを行っている。公益委員の任期は13日に終わるが、その大半が留任する可能性が高いという。民主労総は、これらの公益委員がこの2年間、最低賃金の引き上げを抑制したと主張している。今年7月の最低賃金の決定を控え、公益委員に働きかけて、引き上げ率を引き上げる狙いがあるものと見られる。

大量メールによる公益委員への圧迫は、その方法や趣旨共に適切ではない。民主労総は、最低賃金委に労働者委員として参加する審議主体の一つだ。そのような民主労総が、他の審議委員らを事前に圧迫するのは、協議精神に反する。コロナ危機に直面している中小企業や自営業の現実を考慮すれば、最低賃金の大幅な引き上げが果てして適切なのかも疑問に思う。

現政府に入り、2018年(2017年決定)や2019年は最低賃金を大幅に引き上げて、最悪の雇用危機に見舞われた。以後2年間引き上げ率を下げたが、増えた人件費負担は相変わらず雇用余力を落としている。全国経済人連合会によると、2016〜2020年の韓国の最低賃金上昇率は年平均9.2%と、アジア主要18カ国の中で最も高かった。

中小企業中央会によると、最低賃金の影響を受けた労働者の95%が、300人以下の中小企業で働いている。最低賃金の引き上げで雇用が不安になった労働者の大半は、小規模事業場の低所得層と見なければならない。昨年、最低賃金をもらえなかった労働者は319万人に達した。悪徳業者もいるだろうが、上昇した賃金に耐えられない所が多い。このような働き口まで減れば、低所得層の所得が減少し、所得の二極化は拡大せざるを得ない。

企業の経営状態さえよければ、最低賃金を引き上げることに反対する人はいない。しかし、コロナ禍まで重なった状況で、最低賃金を大幅に引き上げれば、雇用は減少せざるを得ない。韓国経営者総協会(経総)が、賃金引き上げを最小化する代わりに、雇用を増やそうと求めたのも同じ脈絡からだ。雇用悪化の副作用が予想されるにもかかわらず、民主労総が最低賃金の引き上げを圧迫するのは無責任なことだ。民主労総は、労働者のための方法は何かを振り返り、無理な実力行使を自粛しなければならない。