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隠された懐かしさ

Posted April. 16, 2021 08:19,   

Updated April. 16, 2021 08:19

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何が恥ずかしくて顔を隠し、なぜ化粧もせず、自分を苦しめるのか。取りとめもない郎君の心は、元来簡単には得られないもの。ただ無心に宝を探すこととは比較にもならない。だから、男のために気をもむことはない。世の中に男はあなたに冷たくした王昌(ワン・チャン)だけではない。宋玉(ソン・オク)のように素敵な男をいくらでも探すことができる。恋煩いで苦しむ隣人女性に詩人は堂々たる挑戦を勧める。口調は平然と慰めるようだが、実はこの主人公は詩人自身だ。詩の別の題名が「李億(イ・オク)に送る」であることがその証拠だ。李億は詩人を妾にして寵愛したが、妻の反対が激しく、去って行った人物。詩人は男にしがみつかないと心に決めたようだが、未練を断ち切ることができない境遇がただ辛い。去った相手を恨むことはやめようという愚痴は、これまでの涙と傷ついた心に染み込んだ懐かしさを逆説的に反証する。

 

宋玉と王昌は、それぞれ戦国時代、魏晋時代の人物で、美男の代名詞として通用するだけで、詩のように女心を裏切って恨みを買うこととはない。魚玄機(オ・ヒョンギ)は、当代の有名人とよく詩をやりとりするほど優れたが、男の問題で平坦ではない人生を送り、26歳で殺された悲運の女性でもある。