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リディア・コ、笑顔で立ち上がって!

Posted August. 15, 2020 08:58,   

Updated August. 15, 2020 08:58

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「ⅠⅤ-ⅩⅩⅤⅡ-ⅩⅠⅤ」

暗号に見えるローマ数字はリディア・コ(23)が右手首に入れたタトゥーだ。プロデビュー以来、米女子ツアー(LPGA)で初優勝を果たした日(2014年4月27日)を意味する。当時17歳。

まだ若い年だが、コは最近「輝かしきあの頃」を思い出しながら、あの時のことを懐かしんでいるのかもしれない。恐れを知らず怒涛の快進撃を続けた10代の時とは違い、20代になってからはいばらの道が続いている。

先日のマラソンクラシック最終日の終盤に6ホールを残して5打差首位に飛び出し、2年4ヵ月ぶりの優勝を飾るのかに思われた。だがボギー2つと最終ホールではペースが乱れ、ダブルボギーを叩いてダニエル・カンに敗れた。

コの名前には、いつも「最年少」や「史上初」という枕詞が付いて回った。2015年2月に18歳で世界ランキング1位になった。男女を通じての最年少記録だった。15歳だった2012年にはアマチュアとしてLPGAツアー初勝利を果たし、10代で14個の優勝トロフィーを集めた。

二十歳になってからスイングやクラブ、コーチ、キャディーを替え、体重まで減量(8キロ)しながら出直したが、なかなか復調にはつながらなかった。43大会で無冠に終わり、2018年4月にツアー通算15勝目を飾って涙を流してからは、再び優勝から遠のいた。一つのことに打ち込んで自身の全てをかけて燃やし尽くしてしまい、これ以上何かをやれるような肉体的な精神的な意欲を失ってしまったバーンアウト(Burnout=燃え尽き症候群)があまりにも早く訪れたのではないかと懸念する声もあった。

新型コロナウィルス感染症の影響で5ヵ月間休む間、コは歯をくいしばった。自宅にフィットネスバイクなどのフィットネスマシンを入れて、筋肉を3キロ増やし、下半身も鍛えた。新しいコーチを迎え入れ、トレーニング量も増やした。今試合の初日から3日目までを1位をキープし、初めて最終日まで首位を守り切る「ワイヤートゥーワイヤー」の完全優勝への期待感も高めた。

だからこそ、逆転負けの衝撃も大きかっただろう。日本ツアーと米国ツアーで新人王に輝いたハン・ヒウォン解説委員は、「沢山準備をしたのに、プレッシャーに負けてしまったようだ。うまく乗り越えて欲しい」と話した。ダニエル・カンやコ・ジンヨンら同僚たちは「頑張って」とエールを送った。コも「正しい方向に向かっているので、自信を得た」とコメントを投稿した。

先週末、慶州(キョンジュ)では朴仁妃(パク・インビ)がホストを務めたチャンピオンズトロフィー大会が開かれた。海外連合チームには朴仁妃、申智愛(シン・ジエ)、キム・ハヌル、イ・ボミ、チェ・ナヨンら1988年生まれの5人が出場した。5人が挙げた勝利数を合計すれば133勝だ。小学校の時から厳しい競争をしてきた者同士が30代になって笑って騒ぐ姿は見る人を微笑ませる。依然としてフィールドを守っているというプライドも大きいように見えた。

世界最強の韓国女子ゴルフでプレイヤーの寿命はとても短い。2016年以降、KLPGAツアーの129大会で30代の優勝者は6人だけだった。それでさえ、朴仁妃、チョン・ミギョン、柳簫然(ユ・ソヨン)を除いた純粋な国内組は3人だけ。優勝者の平均年齢は23.1歳。今季のKLPGAツアーの獲得賞金ランキング上位5人のうち3人が20歳以下だ。

一方で、選手寿命の長い選手が少ない。子供の時から、ひたすら運動だけをしてきたため、負傷やスランプに簡単に陥りやすいのに対し、抜け出すのは容易でない。ロングランするためには仕事と生活のバランスも重要だ。動揺している時、心理的にサポートしてくれる家族や友達の存在も大事だ。「ゴルフを自分の人生の一部として受け止めるべきだ。体と心とが持ちこたえることができてこそ、競争力も維持することができ、長く活躍できるようになる」。朴仁妃のアドバイスだ。

コが悔しい結果となった大会は、米国の製油大手マラソンがタイトルスポンサーを務めた。1930

年に制定された同社のキャッチフレーズは「長い目で最高(Best in the long run)」だ。初優勝を果たした時の鳥肌の立つ記憶を思い出して、再びゴルフシューズの紐を引き締めて欲しい。人生は短距離走ではない。まだ先は長い。リディア・コに限らず、他の青春たちにおいてもだ。


金鍾錫 kjs0123@donga.com