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「慰安婦問題を超えて、人間の残酷さについて語りたかった」

「慰安婦問題を超えて、人間の残酷さについて語りたかった」

Posted August. 14, 2020 08:57,   

Updated August. 14, 2020 08:57

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「慰安婦問題を扱ってはいるが、残忍さの主体は特定の誰かではなく、人間全体だと思います。戦争と男性の暴力について、幅広い話を書きたいと思いました」

韓国系移民者詩人・エミリー・チョンミン・ユン(29)が13日、ソウル中区(チュング)の韓国プレスセンターで慰安婦問題の痛みと暴力性を扱った詩集「我が種族の特別な残酷さ」(写真)の出版記念懇談会を開いた。作家は来韓したものの、新型コロナによる自己隔離期間中なので、このイベントはテレビ電話で行われた。この本は、2018年に米国の大手出版・グループ・ハーパーコリンズから出版され、米国内少数者の話法で、歴史の中の人間の暴力性と残忍さを描いたという点で注目された。米紙ワシントンポストは、「心をつかむデビュー作だ」と評した。

小学生時代、カナダに移民後、米国で勉強した1990年代生まれが、慰安婦問題をはじめとする韓国歴史の痛みに深く拘った理由は何だろうか。彼女は、「日本軍慰安婦問題は子供の頃から衝撃的な歴史だと思っていたが、周りの人々から初耳だという反応が出るのを見るのがもっと衝撃的だった」とし、「米国内少数民族として、私たちの傷つけられて忘れられた物語を、どのように共有して連帯意識を向上させるかについて悩み、この分野の詩を書くようになった」と話した。

「あの少女は捕まった砂利だ。彼女の言語は何も意味しないので砂利だ。少女の一握り。地が砂利だらけだ。韓国は砂利で墓だ」(散文詩「日常の不運」より)

日本軍慰安婦問題と関連被害者たちの証言を主な材料としているが、彼女は、「この本を反日民族主義的に読むことを望まない」と語った。「今日、外国の子供より犬を大事にする/国で、オレゴン州の上院議員候補が難民たちを/拒否した」(「種の理論」)のような詩のように、アジア系米国人が、現代社会で経験する差別と暴力の経験を反映したからだ。彼女は序文で、「本の中心部に日本軍性奴隷被害者たちの物語が位置しているが、広くは有害な男性性、軍国主義、帝国主義、戦争、人種差別、言語による痛みをテーマとして扱っている」と明らかにした。

詩人は、「批判的な視線のない単純な再現は、暴力やトラウマの繰り返しに過ぎないという恐れがあった。詩を書くときは、常に自分自身に『この人は発言できない状況に置かれているのか』『それなら私が代わりに話さなければならない理由は何か』『これは彼らへの理解を高めてくれるか』を質問した」と語った。それとともに「韓国の読者も、このような倫理的悩みと質問を一緒に投げながら、まだ解決されていない歴史的問題の談話を続けてほしい」と話した。


パク・ソンヒ記者 teller@donga.com