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一度非正規なら一生非正規 正規雇用への道を立て直せ

一度非正規なら一生非正規 正規雇用への道を立て直せ

Posted September. 11, 2026 08:55,   

Updated September. 11, 2026 08:55


若者がどのような仕事で社会への第一歩を踏み出すかによって、その後10年間の雇用の安定性が決まるとの分析が示された。初めから正規雇用で働けば大半が正規雇用にとどまったが、一度でも非正規雇用から出発すると、その境遇から容易に抜け出せなかった。時間がたつほど賃金格差と「レッテル効果」が積み重なり、越えられない壁になっている。

国会未来研究院が最近発表した報告書は、大企業・正規雇用と中小企業・非正規雇用に二分された強固な構造が、若者を絶望させている現実を示している。1989~98年生まれの2700人について、初職とその後10年間の就業経路を追跡したところ、最初から正規雇用で働いた若者は、その後8年3カ月を正規・フルタイムで勤務していた。しかし、非正規雇用として働き始めた若者が正規雇用で働いた期間は、3年1カ月にすぎなかった。10年間で仕事に就いていなかった期間も、正規雇用から始めた人は10.8カ月だったが、非正規雇用から始めた人は35.6カ月と、約2年の差があった。

非正規雇用で働き始めた若者10人のうち3人は、その後10年間に一度も正規雇用を経験できなかった。正規雇用への転換を果たした人も、平均4年10カ月待たなければならなかった。こうした雇用の二極化は、過去の世代よりはるかに深刻になった。1989~98年生まれの33.5%は初職が非正規雇用で、1990年代の通貨危機前後に労働市場へ参入した1969~78年生まれの1.9倍に上る。

大企業や公共部門の正規雇用労組が既得権の壁を築いて過度に保護される一方、一度でも中小企業や非正規雇用から出発した若者が上へ進むための道は、事実上閉ざされている。最初の選択を誤れば一生取り残されるとの不安から、若者は労働市場への参入そのものを先送りし、それが深刻な雇用のミスマッチにつながっている。最近は人工知能(AI)の導入などにより、若者向けの良質な雇用が減っている。さらに法定定年の延長まで拙速に進めれば、若者が良質な雇用に就くための入り口は一段と狭まるとの懸念が出ている。

若者をどこでもいいから就職させることだけに力を注いだり、中小企業に就職した若者の賃金を上乗せしたりする方法では、初職で生じた格差を縮めることはできない。努力すれば正規雇用へ移れるよう、足がかりを整えなければならない。そのためには、大企業と中小企業の格差を縮め、雇用の柔軟性を高める労働市場の二重構造改革を急ぐ必要がある。途絶えた雇用移動の道を再び開いてこそ、若者だけでなく、国の経済全体にも未来が開ける。