
絶好調の得点感覚を誇る「スーパー・ソニ―」孫興慜(ソン・フンミン、33、LAFC)が、サンバ軍団と称されるブラジルを相手に大記録を飾るゴールを決められるかどうかが注目される。
洪明甫(ホン・ミョンボ、56)監督が率いる韓国代表は10日午後8時、ソウルワールドカップ(W杯)競技場でブラジルと親善試合を行う。キャプテンの孫興慜がブラジル戦のピッチに立てば、韓国の男子選手としての代表戦出場回数で単独トップの137試合目となり、新たな歴史を刻むことになる。孫は9日現在、車範根(チャ・ボムグン)前代表監督の136試合に並んでいる。
韓国はW杯最多優勝国(5回)であるブラジルとの通算対戦成績で1勝7敗と大きく劣勢だ。韓国がブラジルに勝ったのは、1999年にソウル・蚕室(チャムシル)総合運動場で行われた国際親善試合の一度だけで、当時は後半45分に金道勲(キム・ドフン)が決勝ゴールを決め、リバウドやカフーらを擁するブラジルを1-0で破った。
孫は2010年にA代表デビューして以来、ブラジルとはこれまで4度対戦して全敗している。代表戦通算53得点を誇るが、ブラジルのゴールネットを揺らしたことはまだない。目の周囲の骨折でフェイスガードを着用して出場した2022年カタールW杯の決勝トーナメント1回戦でもブラジルに1-4で敗れた。その試合ではMF白昇浩(ペク・スンホ、28、バーミンガム・シティ)が強烈なミドルシュートを決め、屈辱的な大敗を免れた。
カタールW杯以来、約2年10カ月ぶりにブラジルと再戦する孫は、過去の4敗の雪辱を期す。今夏8月にトッテナム・ホットスパー(イングランド)を退団してロサンゼルスFC(LAFC)に加入した孫は、米メジャーリーグサッカー(MLS)で直近5試合7得点と好調で、米国移籍後の代表戦でも好パフォーマンスを続けている。先月の米国遠征では、強豪の米国、メキシコを相手に行われた親善試合各1試合で孫が1得点ずつを記録。FIFAランキング23位の韓国は孫の活躍で米国(16位)に2-0で勝ち、メキシコ(14位)とは2-2で引き分けた。
ブラジル代表には、2024~2025シーズンに22ゴールを挙げたFWビニシウス・ジュニオール(25、レアル・マドリード)や、最前線のリシャルリソン(28・トッテナム)、守備的MFのカゼミロ(33、マンチェスター・ユナイテッド)らスター選手が名を連ねた。歴代ブラジル選手の代表戦最多得点(79得点)を記録するネイマール(33・サントス)は負傷の影響で合流していない。
近年のブラジルは、かつてのような圧倒的なパフォーマンスを示し切れていない。W杯出場枠を巡る南米予選では12カ国中6位までが本大会出場の直接枠だが、ブラジルは厳しい戦いの末に5位で本大会出場権を確保するのに苦戦した。これでFIFAランキングは一時6位まで下がった。ブラジルは再浮上を期して今季、欧州チャンピオンズリーグで5度の優勝経験を持つ名将カルロ・アンチェロッティ(66・イタリア)を監督に迎えた。ブラジルが外国人監督にチームの指揮を委ねるのは約60年ぶり。
鄭允喆 trigger@donga.com






