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英米が承認した「遺伝子はさみ」の治療剤、技術保有の韓国は座礁の危機

英米が承認した「遺伝子はさみ」の治療剤、技術保有の韓国は座礁の危機

Posted December. 12, 2023 08:38,   

Updated December. 12, 2023 08:38

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「遺伝子はさみ」の技術を利用した世界初の治療剤が、英国に続き米国でも承認を受けた。遺伝子はさみは、細胞から望んだ部位の遺伝子(DNA)を切り取って矯正する技術だ。世界最大の医薬品市場である米国で、遺伝子はさみの技術が治療剤として承認されたのは今回が初めてだ。人類が直接DNAを直して病気を治療できるようになり、遺伝性希少疾患や癌など難病治療の新しい道が開かれたという評価が出ている。

最近、米食品医薬品局(FDA)は、遺伝子の突然変異のため、円盤状の赤血球が鎌状に変わる病気である「鎌状赤血球症」の患者に、遺伝子はさみの治療剤の使用を承認した。治療剤の開発には、2020年にノーベル化学賞を受賞した第3世代技術「クリスパー遺伝子ハサミ」の技術が使われた。患者から幹細胞を抽出して突然変異遺伝子を切り取った後、再び患者自身に移植する方法だ。一度に永久的な治療が可能だ。今回の承認を機に、研究の水準に留まっていた遺伝子はさみ治療剤の商用化に拍車がかかるものと期待される。

韓国は、遺伝子はさみ技術そのものだけを見れば、すでに世界的な水準に達している。クリスパー遺伝子はさみ技術を誰が一番先に開発したのかをめぐって争う特許戦争の三つ巴の一つの柱が、国内企業であるほどだ。しかし、商用化の水準は相対的に遅れている。遺伝子治療剤の研究が可能な分野が制限されており、人体対象の臨床規制も厳しい。国内の臨床インフラも足りず、国内企業は海外製薬会社との共同開発を推進するのがほとんどだ。国内のある医学部の研究チームは、先天網膜疾患の治療剤として第4世代の技術である「プライムエディター」技術を開発したが、政府から十分な資金の支援を受けられず、臨床進行はなかなか進まない。

遺伝子はさみ技術の適用が活発な農業部門でも、韓国は商用化自体が事実上閉ざされている。遺伝子の矯正食品に対し、有害性審査など規制を一部緩和する法案が発議されたが、1年以上国会常任委の敷居を越えられずにいる。このため、国内企業はビタミンDが含まれたトマトなどの製品を開発しても、発売すらできずにいる。

遺伝子はさみの技術は、大韓民国の未来の成長エンジンになる先端バイオのコア技術だ。今からでも関連法体系と規制を整備し、研究開発(R&D)に積極的に投資して産業を育成しなければならない。技術力がなければ仕方ないが、オリジナル技術を持っているのに他国の背後だけを眺めなければならないというのはとんでもないことだ。