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管理型「室長」の限界を超えた課題集中型「次官補」のリーダーシップ

管理型「室長」の限界を超えた課題集中型「次官補」のリーダーシップ

Posted August. 30, 2023 08:37,   

Updated August. 30, 2023 08:37

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「政府省庁の次官補と室長の違いを知っていますか」

政府の組織改編を取材していた時、10人ほどの公務員にこのような質問をした。行政安全部が最近、地方自治均衡発展室長のポストを廃止し、次官補のポストを新設する背景が気になったからだ。しかし、公務員のほとんどは「正確には分からない」と答えた。人事業務を担当したことのある1、2人だけが漠然と違いを知っていた。

韓国の公務員社会では、次官補と室長は階級的には大きな違いがないようにみえる。両職級とも「上級公務員カ級」で、かつては「1級」と呼ばれた。政務職である次官の下の職業公務員が上がることができる最も高い地位だ。給与も同じだ。

しかし、よく見ると重要な違いがある。それは働き方だ。

室長は、局長級の上級公務員など部下を従えて働く。組織の大事小事を管掌し、局室の最終決裁者であり、強いて言えば「万機親覧型リーダー」に近い。

一方、次官補は課題中心に懸案に直接対応する。組織の運営から離れていて、特定の課題に集中する余裕がある。このため、一般的に特定の業務に専門性を持つ公務員が任命される傾向がある。

取材中に会った元公務員の多くは、「室長」制度の限界を吐露した。ある元公務員は、「室長時代、手足を縛られ、上がってくる決裁だけして時間が過ぎた。いつ解雇されるか分からないので、組織の安定に集中するしかなかった」と振り返った。

行政安全部が2013年以来約10年ぶりに次官補を新設したのは、既存の局室体制の文法では地方消滅という課題に対応できないという判断によるものとみられる。組織の論理から脱却し、創造的で破格的な試みをしようということだ。次官補は、急変する市場に柔軟に対応する民間企業のアジャイルリーダーシップを発揮するのにも適している。

1対1で比較するのは難しいが、米国も専門性のある次官補(Assistant Secretary)を長官の下に複数人置くことがある。韓国を担当する次官補(国務省の東アジア・太平洋担当)は、専門性と地位が韓国の次官級より高く評価されることもある。漢陽(ハンヤン)大学行政学科のキム・ソクウン教授は、「米国は次官補の長所を活用するために、韓国よりも専門性の高い次官補を多く起用する」と話した。

むろん、すべての問題を次官補が室長よりうまく処理すると断言することはできない。ポストだけ作って権限を与えなければ無意味かもしれない。ただ、長年努力してきたにもかかわらず解決が難しい少子化問題、労働・教育・年金など改革が急務の分野、役割の変化を模索している統一分野などに次官補を投入すれば、良い刺激になると思われる。

また、大統領室出身の次官が省庁を掌握し、硬直した運営をしているという批判が出ている状況で、専門性を持つ次官補が潤滑油の役割を果たすことができる。「最高の専門人材に権限を与え、信頼して仕事を任せるシステムで国政を運営する」という尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の初心にも合致する。