Go to contents

「祖国を離れてさまよう朝鮮白磁を元の場所に」

「祖国を離れてさまよう朝鮮白磁を元の場所に」

Posted August. 03, 2023 08:20,   

Updated August. 03, 2023 08:20

한국어

丸い満月壺、偉丈夫六角形満月壺、卵の満月壺…。空軍教育司令部教育大隊長(中佐)のイ・ジョンヨルさん(52)は、自身が収集した満月壺にこのような名前を付けた。高さと本体の直径がそれぞれ53センチの壺に「満月」を、下段部が少しへこんだ重みのある満月壺に「偉丈夫」を見たからだ。

高さ40センチを超える丸い白磁大壺は、一般的に満月壺と呼ばれる。イさんは2014年から9年間、中国と日本で流通している朝鮮白磁大壺35点を購入した話を盛り込んだエッセイ『満月壺、白い花で咲く』(クンピョンチェク)を最近出版した。慶尚南道晋州(キョンサンナムド・チンジュ)に住むイさんは、先月31日の電話インタビューで、「軍人の給料では力不足だったが、私の意志に共感し、マイナス通帳や貯金まで出して支援してくれた家族や友人がいたので、収集が可能だった」と話した。

イさんと満月壺の縁は2012年にまでさかのぼる。梅酒を入れる容器を求めて、ソウル鍾路区仁寺洞(チョンロク・インサドン)で現代作家が作った満月壺1点を初めて購入したのが始まりだった。イさんは、「持ってきた満月壺を毎日眺めて愛着が湧いた。その後、韓国の陶磁の歴史を勉強し、朝鮮白磁の悲哀を知るようになった」と話した。文禄・慶長の役、日本による植民地支配を経て、多くの白磁大壺が破壊され、持ち出されたと推定される。残った白磁大壺も韓国戦争時に爆撃などで破壊された。北朝鮮に残っている白磁大壺も、中国・丹東などを通じて売られ、海外をさまよっているのが現状だ。

「他地をさまよう朝鮮白磁を祖国に持ち帰ろうと決意しました。それ以来、毎月100万ウォンずつ貯め、貯金を崩して2014年に丹東に出た朝鮮後期の白磁大壺1点を買ったのがコレクションの始まりでした」

イさんは晋州に住む姉の自宅の一部を借りて収集した白磁を保管している。イさんは満月壺の魅力として不完全さを挙げた。「完璧な球形を成す満月壺はない」とし、「当時の技術的限界による不完全さが現代に制作された満月壺とは異なる朝鮮満月壺の魅力」と話した。来年転役するイさんは、「朝鮮白磁大壺が持つ美しさをより多くの人と共有したい」とし、「満月壺博物館を建てることが目標」と話した。


イ・ソヨン記者 always99@donga.com