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砂漠の上の新都市、蜃気楼にならないためには

砂漠の上の新都市、蜃気楼にならないためには

Posted July. 29, 2023 08:18,   

Updated July. 29, 2023 08:18

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26日、ソウル東大門(トンデムン)デザインプラザで開かれた「ディスカバーネオム」のソウル展に立ち寄った。サウジアラビアの北西部の砂漠地域に640兆ウォンを投じて、ソウルの44倍規模の新都市を建設するという「ネオムシティプロジェクト」を紹介する展示だ。平日の昼なのに、20~30人の人々が写真を撮ったり、映像物を見るなど展示館を見て回っていた。企業関係者と見られる人もいたが、孫を連れてきた高齢者もいた。それだけ、ネオムシティプロジェクトが一般人にもかなり知られているという意味だろう。プロジェクトの目標を説明する映像物では、ネオムは持続可能な未来の住居を示す場所であり、気候危機とエネルギー問題などを経験している世界に、代案を提示するという内容が流れていた。また観覧客に対し、この「人類のためのプロジェクト」に参加することを勧めていた。

一部の地域を除けば、韓国国内の住宅景気は依然として良くなく、原材料価格は上がって収益性も減少している。このため、最近、海外事業で活路を見出そうとする建設会社が増えている。しかし、価格競争力はすでに中国などの後発走者に追いつかれて久しい。もはや以前のような単純な下請け事業では、望む成果を出すことが難しくなって久しい。造船産業がエコ船舶から新しい成長エンジンを見つけたように、建設業にも新しい領域を開拓する新技術が必要な状況だ。

その技術は、モジュラー建築やビル情報モデリング(BIM)のような発展した施工技術かもしれないが、全く異なる分野の「技術」かもしれない。プロジェクトの事業性を判断して投資するかどうかを決定して金融を調達する能力や、建設後も施設運営を引き受けて長期間収益を上げる力量のことだ。

特に今回の展示の開幕と共に開かれたロードショーは、韓国企業がネオム側に技術力を見せる場でもあったが、ネオム側が韓国企業に投資を勧める投資説明会でもあった。ネオムが望むのは、単なる下請け会社ではなく、新技術と資金を持ってくる投資家でありパートナーだという。ネオムだけでなく、最近発表される大型プロジェクトは、そのほとんど似たような状況だ。もはや単純な下請けでは海外建設の受注において大きな成果を出すことは難しくなっている。

もちろん、このような投資開発型事業は、初期投資金も多く、リスクも大きい。ネオムのように長く時間がかかる大型プロジェクトならなおさらだ。特にネオムは、170キロの長さの直線都市「ザ・ライン」の地下トンネル工事が行われるなど、計画が実行に移されているが、依然としてその規模ほど実現可能性に疑問の多いプロジェクトでもある。

結局、リスクと可能性の間のギャップを埋めるのが、政府の役割だ。もちろん「ワンチームコリア」が、サウジアラビアだけでなく、インドネシアやポーランドなどを回りながら、受注支援団の役割を果たしている。しかし、企業が最も必要とする事業性の判断や金融支援において、政府がどれほど役割を果たしているかは疑問だ。国内で多様な経験を積んできた公企業も、さらに積極的に乗り出さなければならない。「やってみた?」という現代(ヒョンデ)グループの鄭周永(チョン・ジュヨン)創業者の有名な言葉のように、やってみないと成功できないし、ノウハウも積まれない。「第2の中東ブーム」のためには、企業も政府もさらに一歩を踏み出さなければならない。