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「不審な国際郵便物」、早急に正体を特定し国民の不安を解消せよ

「不審な国際郵便物」、早急に正体を特定し国民の不安を解消せよ

Posted July. 24, 2023 08:22,   

Updated July. 24, 2023 08:22

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正体不明の不審な国際郵便物が全国に無作為に配送されている。蔚山(ウルサン)で海外からの不審な国際郵便物を開封した人がめまいや呼吸困難、手足のしびれで病院に搬送されるという事態が起こり、気体性の有害物質が含まれていた可能性が指摘された。その後、4日間で警察に届けられた不審な郵便物は3500件を超えた。

郵便物の発送地はほとんどが台湾・台北で、マレーシアやウズベキスタンなども一部あることが分かった。台湾側によると、これらの郵便物は中国広東省深セン市で発送されたもので、台湾を経由して韓国に入ったという。送り状に中国ではなく台湾を発送地として記載し、実際に台湾から送られたように偽装した可能性があるということだ。台湾が、駐韓台北代表部だけでなく、副総統クラスの行政院副院長まで出て、「最後まで実体を究明する」と言ったのは、万一の外交的影響まで考慮したからだろう。

通報された郵便物の大半は、中にリップクリームのような小さな商品が入っていたり、中身がなかったというので、「ブラッシング詐欺(brushing scam)」の可能性もある。オンラインショッピングモールが実績や評価を操作するために、注文していない商品を不特定多数に発送する手口だ。一部の台湾発の郵便物の住所地が、2020年にカナダなどで「ブラッシング詐欺」として確認された郵便物の発送地と同じという報道もある。問題の蔚山の国際郵便物に入っていた白い練り物や粉からは、分析の結果、化学物質や放射能の危険物質は検出されなかった。

だが、不審な国際郵便が一斉に国内に大量配送されたことは、国民を不安に陥れるのに十分だ。万が一、有害化学物質や爆発物が入った小包が含まれ、被害につながる可能性も排除できないからだ。米国では9.11テロ後、炭疽菌が入った郵便物で約20人が感染し、5人が死亡した事例がある。郵便物を利用したこのような「生物化学テロ」がいつ再び発生するか分からない。「ブラッシング詐欺」の繰り返しで警戒心が緩んだ隙に、誰かがこれを実際の化学テロに悪用する可能性もある。

政府は、関連国と緊密に連携し、郵便物の差出人と韓国への発送経緯、目的などを明らかにしなければならない。国家情報院の対共捜査力の弱体化や政府の対応を問題視し、与野党が責任転嫁の攻防を繰り広げている場合ではない。これを機に、海外郵便物の通関検査システムも強化する必要がある。海外直送が増え、急増している国際郵便物が国民の安全を脅かす媒体になってはならない。