Go to contents

厳しい環境下での企業経営は守備だけでは耐えられない

厳しい環境下での企業経営は守備だけでは耐えられない

Posted July. 15, 2023 08:26,   

Updated July. 15, 2023 08:26

한국어

もう、今年の半分が過ぎた。多くの企業の関心は、今や今年ではなく来年度の事業に集まっている。主要企業は通常、秋夕(チュソク=旧暦の8月15日)の連休が終われば、来年度の経営計画を策定するが、夏休みが終わる頃から本格的な悩みが始まる。

来年度の経営環境は今年よりは良くなるという見通しが出ているが、米中間の対立とロシアとウクライナとの戦争など、グローバル地政学的不確実性は依然として残っており、対内環境も容易ではなく、2024年の経営環境も侮れないものと見られる。

深刻な不確実性の中で防御的な姿勢を見せる企業が多いが、経営専門家たちは不況期に支出を減らしながらも機会をつかもうと努力してこそ、景気回復期に勝者になれると強調する。

2020年初め、コロナ禍で米国航空会社の乗客輸送量が前年比96%激減した時、多くの航空会社は航空機の注文を取り消すなどコスト削減に突入した。アラスカ航空も、採用凍結や役員給与削減などの措置を取った。ただ、一つが違っていた。航空機の注文を取り消す代わりに、既存の航空機を最新に変え、追加で注文した。米国主要航空会社の中で、2020年に航空機を大量に注文したところはアラスカ航空が唯一だった。

当時の社長であり今の最高経営責任者(CEO)であるベン・ミニクッチ氏は、「パンデミックという巨大な危機から抜け出し、立ち上がることができるよう攻撃的に対応したかった」とし、「飛行機なしでは航空事業で成長できない」と話した。景気低迷期に攻撃と守備を並行したこの戦略は、今年初めから明確な成果を出し始めている。アラスカ航空は、2025年までに売上が年4~8%伸びると予測される中、最も多くの利益を出す航空会社の一つになった。

ハーバード大学経営大学院のランジェイ・グラティ教授は、アラスカ航空の事例をハーバードビジネスレビュー(HBR)に紹介し、「景気低迷に直面した時、多くのリーダーと企業は、収益を維持するために本能的にコスト削減に集中する反面、アラスカ航空のようなリーダーと企業は、不確実性の時期をチャンスとして捕らえてつかむ」とし、「真の回復弾力性は、逆境を乗り越えて回復したり、それに抵抗すること以上を含む」と話した。

しかし、不確実な状況で恐怖を乗り越えて積極的な措置を取るのは容易なことではない。実際、グラティ教授の研究によると、1980年代や1990年代、2000年代の景気低迷期に約5000社の企業を調査した結果、このうち戦略的投資を通じて売上と利益成長を促進した企業は9%に過ぎなかった。

韓国の主要企業は、不確実性の中で成長に投資している。最近、LG電子は、2030年までに研究開発(R&D)と施設、戦略投資などに50兆ウォンを投資し、デジタルヘルスケアや電気自動車の充電、メタバースなど未来領域を発掘すると発表し、ポスコグループは2025年までに、グループ全体投資費の46%を2次電池の素材事業に投入すると明らかにした。

韓国は、経済成長のエンジンだった輸出が減り、今年の経済成長率は1%台に止まっている。より多くの企業が恐怖を乗り越えて攻撃に乗り出すことができるよう、政府は、労働改革や規制緩和などで力を添えなければならない。