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重要鉱物の輸出規制に動き出した中国、サプライチェーン整備に与えられた時間は残り少ない

重要鉱物の輸出規制に動き出した中国、サプライチェーン整備に与えられた時間は残り少ない

Posted July. 07, 2023 08:13,   

Updated July. 07, 2023 08:13

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米国のジャネット・イエレン財務長官は昨日、中国を訪問し、3泊4日の訪中日程を始めた。イエレン長官は、李強国務院首相や劉昆財政部長の他に中国経済分野の要人らと会って両国の懸案について話し合う。米国の「デリスキング(derisking)」政策にともなう対中先端技術や投資規制、高率関税などが会談のテーブルに上がると知られている。

イエレン長官の訪中は、両国が技術輸出の規制と対抗措置を相次いで発表し、対立が高まる時点で行われる。米国は昨年、先端半導体装置の対中輸出を禁止し、中国技術企業を輸出のブラックリストに載せるなど、対中牽制の度合いを強めている。これに対し中国は、米半導体企業のマイクロンへの制裁に続き、レアメタルであるガリウムやゲルマニウムの輸出規制カードを取り出している。★中国との欠かせない協力を明らかにしてきたイエレン長官の今回の訪中の目的は経済対立の緩和にあるといわれているが、突破口を見出すのは容易ではないのが現状だ。

米中間の技術覇権争いの枠組みの中で行われている双方の輸出規制は、今後さらにエスカレートする可能性がある。中国の元高官は、今回の鉱物輸出規制は「始まりに過ぎない」と話した。米国も、人工知能(AI)用半導体の対中輸出の制限と共に、アマゾンやマイクロソフト(MS)などが中国企業に提供するクラウドサービスの制限を検討している。双方は、反撃式対応の悪循環に陥るだろうという懸念が出ている。

米国の対中牽制と中国の報復措置が続く場合、韓国が受ける影響も大きくならざるを得ない。何よりもレアアースと重要鉱物市場を掌握している中国の「資源の兵器化」は、この分野の中国への依存度の高い韓国には致命的になりうる。韓国は、電気自動車のバッテリーなどに使われるマンガンとコバルトの97%を、黒鉛とリチウムなども80%以上を中国から輸入している。中国に代わる他の輸入先の確保が可能な場合も、生産コストの増加負担は避けにくい。

増大する不確実性に備えるため、海外の各国はすでに激しい資源確保戦に飛び込んでいる。韓国も輸入先の多角化を通じて、中国への依存度を下げることが急がれる。重要鉱物の需給の持続的なモニタリングを土台に備蓄量を拡大しながら、アセアンやオーストラリア、南米などとの資源協力に拍車をかけなければならないだろう。資源大国と交わした鉱物安全保障パートナーシップ(MSP)を積極的に活用するのも方法だ。「第2の尿素水騒ぎ」が繰り返されないようにするためには、官民が共にサプライチェーンの安全弁の確保に先制的に乗り出さなければならない。