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韓国戦争で戦死したキム一等兵の遺骨が72年ぶりに娘のもとへ

韓国戦争で戦死したキム一等兵の遺骨が72年ぶりに娘のもとへ

Posted June. 24, 2023 08:31,   

Updated June. 24, 2023 08:31

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10ヵ月の娘を置いて韓国戦争に出て祖国を守るために戦って散華した兵士が帰ってきた。歳月が過ぎ、70代の高齢者になった娘の元へ。兵士が戦死してから72年ぶりのことだ。昨年まで国防部の遺骨発掘鑑識団が発掘した国軍の遺骨は1万1313体。

鑑識団は23日、2010年から2022年までの12年間、江原道鉄原郡(カンウォンド・チョルウォングン)で3回にわたって発掘された遺骨の身元がキム・ヒョンテク一等兵と確認されたと明らかにした。鑑識団は同日、娘のドゥクレさん(73)に遺品などを渡す「護国の英雄帰還行事」を京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)にあるドゥクレさんの自宅で行った。キム一等兵は、鑑識団が2000年に遺骨発掘を開始して以来、212番目に身元を確認した戦死者だ。

全羅南道新安(チョルラナムド・シンアン)出身のキム一等兵は、娘が生まれて約10ヵ月になった1951年5月に入隊して参戦した。国軍第2師団に配属されて戦闘を重ね、入隊3ヵ月も経たない8月15日、鉄原付近で行われた「734高地戦闘」で戦死した。734高地戦闘は、中部戦線の要衝地で行われた熾烈な攻防戦で、第2師団が主軸になって勝利した。

キム一等兵の遺体は戦死して約60年が過ぎた2010年に初めて発見された。太ももの骨が先に発掘され、その後昨年まで尻もちと太ももの骨などが追加で収拾された。鑑識団は戦死者遺族を訪ねる機動探問過程で、2016年に娘のドゥクレさんのDNA試料を採取した。その後、DNA試料の精密対照分析を経て、二人が父娘の関係にあることを最近、最終的に確認した。ドゥクレさんは遺体の身元確認の知らせを聞き、「父親の遺骨を探して人生の宿題を終えた気分」と話した。

韓国戦争での国軍戦死者は16万2394人。このうち当時収拾された遺骨などを除いて昨年まで遺体が見つかっていない人が12万1879人に達する。昨年まで発掘された国軍の遺骨は1万1313体だが、大半はDNA試料が不足し、遺体を探しても身元確認が困難で遺族の元に戻れずにいる。軍当局は戦死者の8親等以内の親戚などを対象にDNA試料8万6575個を確保したが、戦死者1人基準で多数の試料が確保された場合が多く、試料確保が急がれる状況だ。

軍当局は延べ約10万人(累計)を投入し、毎年3~11月に遺骨発掘を実施している。遺骨発掘を行う地域は毎年38~40ヵ所に達する。「国のために犠牲になった方々は国が最後まで責任を負う」というのが鑑識団の方針だ。国防部の関係者は「国土開発にともなう遺骨の毀損や戦死者直系家族の死亡などで遺骨発掘は大変差し迫った時間との戦いになった」とし、「戦死者遺骨が遅くとも遺族の元に戻れるよう、より多くの遺族がDNA試料の採取に応じてもらいたい」と話した。


孫孝珠 hjson@donga.com