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「16年間で280兆ウォン」、数字だけ膨らませた予算が招いた少子化対策への不信感

「16年間で280兆ウォン」、数字だけ膨らませた予算が招いた少子化対策への不信感

Posted May. 24, 2023 08:38,   

Updated May. 24, 2023 08:38

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少子化問題に関連して、人々が最も疑問に思うのが2つある。一つは、16年間280兆ウォンをつぎ込んでも0.78人という世界最低の合計出生率を記録したという事実であり、二つ目はその多くの予算を執行したということだが、いざ出産に悩む若い夫婦の間では「そのお金を全部どこに使ったのか」という話が出るほど、政策体感度が低い点だ。この「少子化ミステリー」は、予算が途方もなく水増しされたことから始まったという分析が出てきた。

少子高齢社会委員会が昨年、少子化対応予算51兆216億ウォンを分析した結果、少子化支援と直接的な関連のない予算が多く含まれていることが分かった。少子化予算でその割合が最も大きい住居支援予算の場合、23兆ウォンのうち40%は住宅購入および伝貰(チョンセ=賃貸保証金)資金融資で、「貸してから返してもらう」お金だった。住宅都市基金が、青年と新婚夫婦に市場より低い金利で住宅資金を貸し出しているが、これを少子化予算に決め、実際の恩恵より膨らませて錯視効果を出したという指摘だ。住宅価格が1%上がれば出産率は7年間で0.014人減少するという国策研究院の分析結果が示すように、住居支援は出産率に直接的な影響を与える変数であるにもかかわらず、中身のない数字だけを水増ししておいたことになる。

少子化対応予算には、教育部の産学研協力先導大学育成事業と小中高校のリモデリングによる太陽光発電施設の設置など、グリーンスマートスクールの造成事業費も含まれている。国防部の軍務員と下士官人件費の増額、女性家族部のデジタル性犯罪被害者支援事業費も少子化対策予算となっている。このようなバブルを取り除けば、育児休職や保育支援、児童手当など出産率と直接的な関連のある家族支援予算は、2019年基準の国内総生産(GDP)比1.56%(約30兆ウォン)で、経済協力開発機構加盟国平均(2.25%)の70%にも及ばない。あれこれ引っ張ってきて予算を水増しして働くふりをして、「少子化を防ぐことは不可能だ」という冷笑と不信を煽り、問題解決のエンジンだけを弱化させたのではないか。

少子化政策は、膨大なお金を使っても失敗したのではなく、使うべきところにきちんと使わなかったために失敗したと見なければならない。最近の世論調査で、未婚男女が希望する子供の数は1.8人だった。画期的な解決策を探すより、産みたい人は安心して産めるように、最も基本的な対策を疎かにしなかったか振り返ってみる時だ。少子化問題と関係のない予算を削減し、政策効果が確実な事業に集中的に支援しなければならない。