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100万棟の高層ビルの重さで沈むニューヨーク

100万棟の高層ビルの重さで沈むニューヨーク

Posted May. 22, 2023 08:28,   

Updated May. 22, 2023 08:28

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米東海岸のニューヨーク市が毎年1~2ミリ沈下しているという研究結果が明らかになった。エッフェル塔7万個、象1億4千万頭に匹敵する重さの高層ビルが地盤を圧迫する力と気候変動による海面上昇が原因と指摘された。

環境学術誌「Earth's Future」5月号に掲載された米地質調査所(USGS)の地質学者トム・パーソンズ氏と研究チームの論文「ニューヨーク市の重さ:人為的原因による沈下の可能性」によると、800万人以上が暮らすニューヨーク市は毎年沈んでおり、100万棟にのぼる高層建物を一つの原因として指摘した。

ニューヨーク市の5つの行政区のうち、ブロンクスを除くマンハッタン、クイーンズ、ブルックリン、スタテンアイランドは、すべて大西洋に面した島だ。研究チームは、超高層ビルが密集したウォール街金融地区のロウアー・マンハッタンは沈下速度が2倍ほど速いと明らかにした。クイーンズやブルックリンも地盤が沈下していると付け加えた。

研究チームが推定した高層ビル100万棟の全体の重さは約7億7千万トンで、エッフェル塔7万個、象1億4千万頭の重さに相当する。エンパイアステートビルを含むニューヨークの主要高層ビルは固い岩盤の上に建てられているが、一部のビルは砂と粘土が混ざった地盤の上に建設され、沈下速度を速めていると研究チームは主張した。

気候変動による海面上昇も悪影響を及ぼしている。研究チームは、1950年以降、ニューヨーク市周辺の海面は約22センチ上昇し、これはハリケーンと相まって、今後大規模な洪水が今より4倍以上頻繁に発生する可能性があると警告した。また、「ニューヨークだけでなく、米国および全世界の沿岸都市で沈下現象が目撃されている」とし、世界全体が浸水の危険に備えなければならないと強調した。


金玹秀 kimhs@donga.com