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AI、今度は映画スタッフとして活躍

Posted May. 20, 2023 08:21,   

Updated May. 20, 2023 08:21

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この本の著者の中には、人間ではない存在がいる。約4億個の絵と文の関係を学習した人工知能(AI)「DALL・E2(ダリ)」だ。

映画「晩秋」(2011年)のキム・テヨン監督は、このAIの力を借りて作業に着手した。普段イ・ソンボク詩人の詩「南海錦山(ナムへ・クムサン)」を映画化したかった彼は、映画のコンセプトを絵にしてみた。ダリに最初に指示したのは、「詩が誕生した1986年、その時期にふさわしい映画の主人公を見せてほしい」ということ。ダリは一度も重ならず多様な人物のイメージを提案し、金監督はその中から1人を選んだ。キム監督は、これについて本で「俳優がキャスティングされた」と表現した。

キム監督は、このイメージをもとに編集に乗り出した。「一人の女が、石の中に埋もれていたんだ」で始まる詩の一文一文を視覚化し、ダリが作り出した色々な絵を主人公の絵に繋げて付けた。その後、素敵な映画ポスターのように見える絵が誕生した。キム監督は、「文字でできた話を視覚的に想像すること、同僚の芸術家たちと協業することがこの作業の中に全てあった。もう少し寂しいということと、少し辛くないということが違うだけだ」と話した。

本は、キム監督など芸術家4人および脳科学者とAIの協業過程、結果物を盛り込んだ。このプロジェクトを提案して参加したKAIST電気および電子工学部のキム・デシク教授は、「ダリのため、アーティストの役割が消えてしまうだろうか? 絶対に違うようだ。ただ未来アーティストたちの役割と創作方法が変わるだけだ」と話した。


キム・テオン記者 beborn@donga.com