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タイ総選挙、「不敬罪」廃止が焦点に

Posted May. 17, 2023 08:16,   

Updated May. 17, 2023 08:16

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14日のタイの総選挙で、若年層の支持を受けた「前進党」が第1党となり、目玉公約として掲げた「王制改革」が実現するかどうかに関心が集まっている。勝利が確定した15日未明、前進党のピタ党首は、「時代の情緒が変わった」と述べ、「刑法112条(不敬罪)改正の推進にいかなる妥協もしない」と改革の意志を改めて表明した。

タイは世界43の君主制(立憲君主制、専制君主制)の中で不敬罪を最も厳しく処罰する国として知られている。刑法112条によると、現国王、王妃、後継者、摂政を侮辱したり脅したりすると、最高15年の懲役刑に処せられる。侮辱の定義と範囲が明示されておらず、裁判の過程で保釈が拒否されたり、非公開または軍事裁判にかけられたりすることが多々ある。

特に最近は政府の検閲強化に活用され、問題だと指摘されている。2016年に即位したワチラロンコン国王(ラーマ10世)は、不敬罪を根拠に自分に対する否定的な世論を抑圧してきた。今年3月、不敬罪の廃止を主張するグラフィティ(壁画)をYouTubeに投稿した女性が87年の刑を宣告された。この女性は罪を認め、43年6ヵ月に減刑された。

不敬罪は軍部のクーデターに正当性を提供する根拠として機能することもある。06年と14年に軍部は、民主政府の君主制改革を阻止するためにクーデターを起こしたと明らかにした。

刑法112条改正の見通しは現時点では不透明だ。改正案が議会を通過するには、上下院全体である750議席(下院500議席+軍部指定上院250議席)の過半数が賛成しなければならない。現在、前進党を中心とした野党下院議席は292議席にすぎない。

今回の総選挙により、タイの民主化に一歩近づいたという評価もある。チュラロンコン大学のスラチャット・バムルンスク教授(政治学科)は15日、「今回の総選挙で『バンコクの春』が来た」とし、「軍部は(総選挙に対する)自信を持って戦車から降りてきて遊説トラックに乗ったが、有権者がこれ(軍部の勝利)を阻止した」と指摘した。


キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com