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韓米間の金利差が史上最大に、ウォン安が進むと物価の手綱が再び緩む

韓米間の金利差が史上最大に、ウォン安が進むと物価の手綱が再び緩む

Posted May. 05, 2023 08:40,   

Updated May. 05, 2023 08:40

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米国連邦準備制度理事会(FRB)は昨日、基準金利を0.25%引き上げた。金利高の影響で中小型銀行4行が相次いで破産するなど金融不安が続いているにもかかわらず、物価上昇の圧力を減らす必要があると判断したのだ。FRBのジェローム・パウエル議長は、「インフレ解消に時間がかかり、金利引き下げは不適切だ」と話した。今回の引き上げを最後に金利が据え置かれ、年内に引き下げまで始まることを望んでいた世界金融圏の期待に水を差す発言だ。

今回の引き上げで、米国の基準金利は2007年以降16年ぶりに最も高い5.0~5.25%となった。昨年3月以降、10回連続の引き上げとなる。米消費者物価の上昇率は、今年3月は5.0%で前月の6.0%より下がったが、依然としてFRBの物価目標値2%を大きく上回っているというのが引き上げの理由だ。2度も基準金利を3.5%に据え置き、今月末に上半期最後の金利決定を控えている韓国銀行は困惑している。米国との金利逆転の幅が、22年ぶりに史上最大値の記録を塗り替え、1.75%ポイントに広がったためだ。資本市場から外国人資金が流出する可能性も、それだけ高くなっている。

最大の問題は、最近ドル安が進んでいるにもかかわらず、1ドル=1300ウォン台を割り込まないウォン相場だ。国際決済銀行(BIS)が交易国間の物価変動などを反映して算出した実質実効為替相場で、3月の韓国ウォンは調査対象64ヵ国中60位で下位圏だった。それだけウォン安で、購買力が低いという意味だ。韓国より低い国は、64位の日本とコロンビア、トルコ、ノルウェーだけだ。

米国と金利逆転が続けば、為替相場はさらに不安にならざるを得ない。さらに、14ヵ月連続の貿易赤字で海外で稼いでいる外貨まで減り、ウォン高の早い回復は期待できない状況だ。最近、国際原油価格が大幅に下がったにもかかわらず、ウォン安ドル高のため韓国は効果を出せずにいる。3月のドル基準で韓国の輸入物価は1.8%下がったが、ウォン基準ではむしろ0.8%上昇した。

このような状況では、先月の消費者物価の上昇率が3.7%で少し低くなったと安心できない。高い為替相場は、エネルギー輸入負担を増やし、電気・ガス料金の追加引き上げまで圧迫している。異常気象やウクライナ戦争の拡大によって、農産物の価格もいつ再び上がるか分からない。韓銀と政府は、景気低迷だけを心配し、為替管理に失敗して物価の手綱を逃すことがないよう警戒しなければならない。