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飲酒運転による死亡・傷害事故の9割が執行猶予・罰金刑の国

飲酒運転による死亡・傷害事故の9割が執行猶予・罰金刑の国

Posted May. 03, 2023 08:26,   

Updated May. 03, 2023 08:26

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泥酔状態で貨物車を運転して死亡事故を起こした運転手が今年1月、懲役3年、執行猶予5年の刑が確定して釈放された。犯行を反省し、遺族と和解したことが考慮された。泥酔状態で時速50キロの制限速度区間を101キロで走って死亡事故を起こした運転手も、同様の理由で懲役1年、執行猶予3年の刑を言い渡された。2人の運転手が運良く寛大な裁判官に出会ったのだろうか。

東亜(トンア)日報が、飲酒運転で人が負傷したり死亡した事件の最近の確定判決文100件を分析した結果、執行猶予や罰金刑が89件にのぼった。飲酒運転の量刑基準が傷害事故は懲役10ヵ月~2年6ヵ月、死亡は懲役2~5年であることを考えると刑が軽い。死亡事故で実刑を受けた場合も最高刑は4年6ヵ月にとどまった。判決文を分析してみると、運転手らは免許取り消しレベルをはるかに越えるスピードで平均5.98キロ走って人命被害を出した。しかし、犯行を認めたり、被害者の傷害が重くなかったり、被害者と和解したという理由などで減刑された。

飲酒運転で死傷しても9割が実刑を免れる韓国とは異なり、米国の一部の州では、飲酒死亡事故は最高無期懲役であり、英国も1年6ヵ月~14年の刑が宣告される。韓国では「過失による事故」として扱うが、先進国では「不注意による殺人」とみなすからだ。飲酒運転の免許取り消し期間も、韓国は最大5年であるのに対し、米国、ドイツ、オーストラリアなどは永久に剥奪されることもある。

処罰レベルが低いため、交通事故件数が減少する中、飲酒運転の再犯率はむしろ増加傾向にある。飲酒運転者の約半数が「常習犯」だ。飲酒運転の通報も、毎日2700件寄せられている。派出所の職員は、昼夜を問わず通報を受けて酔っぱらいの後始末に追われ、強盗事件などの対応が遅れる恐れがある。酒に酔って警察官を暴行しても公務執行妨害で立件されるケースは1割もない。

子ども保護区域で飲酒運転の車にはねられてベ・スンアさんが死亡したことで、警察は予告までして昼に飲酒運転の特別取り締まりをしたところ、6時間で167件が摘発された。1日の昼間にも、20代の飲酒運転者が運転する乗用車が路上を歩いていた40代の夫婦に突っ込み、妻が死亡し、夫が重傷を負う事故が起こった。酒を飲んで暴れ、人身事故を起こしても実刑を免れる寛大な飲酒文化が定着し、真昼間に飲酒運転の車にひかれるようなことが「よくあること」になっている。