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「四面楚歌」ネタニヤフ首相、司法改革で一歩後退

「四面楚歌」ネタニヤフ首相、司法改革で一歩後退

Posted March. 22, 2023 08:38,   

Updated March. 22, 2023 08:38

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昨年12月末に政権に返り咲いた「中東のストロングマン」、イスラエルのネタニヤフ首相が、就任直後から推進してきた司法制度改革の処理期限を延期し、一部内容を修正するとして一歩後退した。司法制度改革が汚職容疑で起訴された自身のための「防弾用」であり、三権分立の根幹を傷つけるという批判が激しい中、「友好国」のバイデン米大統領まで懸念を表明するなど内外の非難が高まっていることを受け、「一歩後退」を選んだ。

ただし、ネタニヤフ氏側は、「処理期限を延期しただけで、司法制度改革は強行する」という姿勢を貫いた。だが、ネタニヤフ氏が率いる連立政権内部でも反対の声が上がっているうえ、野党も憲法訴願、大規模な抗議デモを予告しており、当分の間、混乱が激しくなる見通しだ。

● バイデン氏の警告の翌日に一歩後退

ロイター通信などによると、ネタニヤフ氏は20日、声明を通じて、極右連立政権が発議した司法制度改革案の一部を修正し、来月2日までに通過させるとした処理期限も延期すると明らかにした。バイデン氏が19日に、「民主主義の原則」を強調し、「幅広い国民の支持を得て追求すべき」という趣旨の警告メッセージを送っている。

今年1月初めにネタニヤフ政権が発表した司法制度改革の核心は、司法府の影響力を弱めることだ。まず、議会の過半数(61議席)が同意すれば、最高裁の確定判決も覆せるようにした。議会が作った法律が憲法に合致するかどうかを審査できる最高裁の権限もなくした。

11人で構成された最高裁判事推薦委員会も内閣と与党議員が過半数(7人)を占めるようにした。事実上、政権の好みに合う判事を選ぶという本音を露骨に表したとみられている。

ネタニヤフ政権は同日、判事の任命に関する部分だけ一歩後退した。従来は野党が推薦する判事推薦委員会の委員が11人中1人にすぎなかったが、2人に増やすことにした。最高裁が、議会が作った法律の適法性、行政府の各種措置を審査できないようにした内容も処理の時期を延期した。

● 国防相「司法制度改革を強行すれば辞任」

野党は、一部修正にもかかわらず、司法制度改革の本質は変わっていないとし、「見せかけの後退」と批判している。野党指導者であるラピド前首相は、「改革案の修正は司法府を支配しようという悪意のある意図を含んでいる」と強く批判した。司法制度改革案が議会を通過すれば、最高裁に憲法訴願を提起して対抗すると明らかにした。

連立政権内部でも反対の声が起こっている。現地メディアは、与党リクード所属のガラント国防相が最近、ネタニヤフ氏に「司法制度改革を推進し続ける場合、長官を遂行することは難しい」という立場を伝えたと報じた。

連立政権内部で司法制度改革を問題視して辞任の意思を表明したのはガラント氏が初めて。これは、空軍、海軍、特殊部隊出身の一部の予備役兵士たちがネタニヤフ氏を「独裁者」と批判し、司法制度改革の強行に反発していることを意識したとみられる。

名目上の国家元首であるヘルツォグ大統領まで15日、テレビ演説を通じて妥協と折衷を強調したが、ネタニヤフ氏側は微動だにしない。

ネタニヤフ氏は、ユダヤ極右民族主義、親米、反イラン路線で有名だ。イスラエル歴代最長政権の首相であり、今回が3度目だ。1996~99年に初めて首相に就任し、2009~21年に再び首相に返り咲いた。その後、自身だけでなく妻など家族の汚職疑惑で失脚したが、昨年末の総選挙で勝利し、3度目の就任を果たした。司法制度改革が施行されれば、ネタニヤフ氏が汚職の疑いで有罪判決を受けたとしても、退陣させることは事実上不可能になる。


姜聲煇 yolo@donga.com