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[社説]物価高続くのに「景気減速の始まり」、目前に迫ったスタグフレーション

[社説]物価高続くのに「景気減速の始まり」、目前に迫ったスタグフレーション

Posted February. 18, 2023 08:51,   

Updated February. 18, 2023 08:51

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政府は昨日、韓国が置かれている経済状況を「景気減速」と公式診断した。企画財政部は、「2月の経済動向」で、「物価が高い水準を継続する中で、内需回復の速度が緩やかになり、輸出の低迷や企業心理の冷え込みが続くなど、景気の流れが減速した」との見解を示した。昨年6月から使ってきた「景気減速への懸念」という表現から「懸念」を削除した。物価高と景気低迷が重なった「スタグフレーション」の入り口に韓国経済がぐっと近づいたことを意味する。

すべての指標は、すでに景気低迷を示している。半導体と対中輸出が激減し、1月の輸出額は1年前より16.6%減少した。一方、輸入は増え、今年に入って今月10日までの約40日間、貿易赤字は昨年の年間赤字の37%である176億ドルに達した。物価高による実質所得の減少や過度な家計負債、金利引き上げによる仮処分所得の縮小で消費まで冷え込んでいる。膨大な在庫が積もった大企業の稼働率は、80%を下回った。企業の景況感は、2年4ヵ月ぶりに最悪となっている。

対外環境も尋常ではない。米国は予想外の雇用・消費好調で物価高が持続する可能性が高くなり、連邦準備制度理事会(FRB)が基準金利の引き上げを近いうちに止めるという期待が折れている。ドルは再びドル高に転じ、対ドルウォン相場は取引中に1ドル=1300ウォンを突破した。ウォン安ドル高は原油や液化天然ガス(LNG)などのエネルギー輸入価格を引き上げ、公共料金をはじめとする国内物価を刺激するだけでなく、貿易収支までさらに悪化させる。韓国政府と企業は、中国のリオープニング(経済活動の再開)で輸出に息抜きができることを期待しているが、中国経済も不動産景気の低迷や米中対立などで、早い回復は容易ではない状況だ。

さらに大きな問題は、差し迫ったスタグフレーションに構造的要因が大きいという点だ。1月の全体輸出で対中輸出が占める割合は19.8%で、20%台を割り込んている。内需を強化している中国に対する輸出の割合は、2018年以降減少し続けている。半導体など主力輸出品目のグローバル市場構造も、急速に変わっている。物価上昇を牽引した原油高と大国の衝突もやはり定数になっている。

今こそ、政府主導の国家産業戦略に一大変化が必要な時だ。目の前の景気減速や貿易赤字だけにこだわるのではない。10~20年後、韓国を食べさせる産業構造の青写真を描き直さなければならない。


朴重炫 sanjuck@donga.com