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保護法は作られたが…22年も民間任せの「世界初の母子ミイラ」

保護法は作られたが…22年も民間任せの「世界初の母子ミイラ」

Posted February. 10, 2023 08:57,   

Updated February. 10, 2023 08:57

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「外国の機関から、たびたび私が研究してきたミイラを寄贈してほしいと要請してきたことがあります。私はその度に、『私たちの歴史は、私たちが守って研究しなければならない』と答えてきました。しかし、今は自分の力だけでは足りないですね」

2002年9月、京畿道坡州市(キョンギド・パジュシ)の坡平尹氏(パピョン・ユンシ)の一族の山の墓地で発掘された坡平尹氏の母子のミイラを研究してきた高麗(コリョ)大学医学部のキム・ハンギョム名誉教授(68)は9日、本紙の電話取材に対し「法が変わっても、依然として誰もこのミイラに責任を取ろうとない」とため息をついた。このミイラは、世界初の母子ミイラとして広く知られている。

これまで、坡平尹氏の母子のミイラを含め、キム教授が研究してきた計8体のミイラは、キム氏が在職していた高麗大学医学部の解剖学教室と高麗大学九老(クロ)病院の解剖室に分かれて保管されている。20年以上をミイラの保管費用を病院と大学が負担してきた。それでも、キム氏が2021年3月に名誉退職し、ミイラは保存場所が決まらず途方に暮れている。

昨年7月、ミイラを学術・歴史的に「重要出土資料」と認定し、保存と研究を支援する埋蔵文化財保護法の条項が新設された。しかし、坡平尹氏の母子は依然として支援対象ではない。文化財庁が、「法令施行前に墓地の移転過程で出土した人骨とミイラに対しては法令が適用されない」と明らかにしたためだ。

これに対し、キム氏が文化財庁国立文化財研究院にミイラを寄贈する方法について尋ねてみたが、これも不可能だという返事が返ってきた。文化財庁発掘制度課の関係者は、「国立文化財研究院には現在、ミイラを保存できる冷凍・冷蔵施設が備わっておらず、研究と保管のための専門人材もいない」と話した。昨年7月に法令が施行された後、今年、「重要出土資料の管理・支援事業の予算」の名目で文化財庁が受け取った予算は2億ウォン。ミイラ研究ができる専門人材と施設を備えるにははるか足りない金額だ。

キム氏は、「数百年前の歴史を秘めているミイラを守らなければならない」とし、「今後、文化財庁は支援の範囲と研究体系を拡大していかなければならない」と強調した。「真の支援は、ミイラを研究できる専門人材とインフラを拡充することから始まる」という彼の言葉を肝に銘じなければならない。


イ・ソヨン記者 always99@donga.com