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北朝鮮「蔚山沖に報復攻撃」主張、軍は「3軸体系」を再点検せよ

北朝鮮「蔚山沖に報復攻撃」主張、軍は「3軸体系」を再点検せよ

Posted November. 08, 2022 08:19,   

Updated November. 08, 2022 08:19

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北朝鮮軍総参謀部が7日、先週4日間実施した対韓国軍事作戦の進行状況を明らかにし、「作戦1日目(2日)午後、咸鏡北道(ハムギョンプクト)地域から590.5キロの射程距離で南朝鮮の蔚山(ウルサン)沖80キロ付近の公海上に2発の戦略巡航ミサイルで報復攻撃を加えた」と主張した。韓国軍が公開した北朝鮮の挑発にはなかった内容だ。韓国軍は「北朝鮮の主張は事実とは異なる」とし、巡航ミサイルは捉えられていないと明らかにした。

北朝鮮の主張には過去にも誇張や虚勢が多く、額面通り受け入れられないことは事実だ。軍当局は、今回も虚偽の事実を前面に出した北朝鮮の欺瞞戦術と見ている。8月にも金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が、長距離巡航ミサイル発射地点をめぐって、「南朝鮮当局が稚拙に、口軽く発表した温泉(オンチョン)付近ではなく、平安南道安州市(ピョンアンナムド・アンジュシ)」だったと主張した。当時も、韓国軍は韓米の情報監視によるとし、情報判断を維持した。

しかし、北朝鮮の主張は根拠がないとただ一蹴することもできない。超低高度で飛行して探知や迎撃を避ける巡航ミサイルの特性上、韓国軍が捉えられなかった可能性を排除することはできない。北朝鮮が大量に発射したミサイルの数をめぐって、韓国軍も明確な数字を提示できなかった。嘘だと断定するよりも、探知の失敗の可能性も念頭に置いて態勢を整えなければならない。

韓国軍が今回明らかにしたいくつかの問題点は看過できない。2日、空軍がNLLを越えて精密誘導兵器を発射したが、エラーが生じた。射撃大会では、迎撃ミサイルが飛行中に爆発したり、エラーが確認されたりして発射できなかった。先月には弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)2C」の落弾、エイタクムス(ATACMS)の追跡失敗事故もあった。どれも北朝鮮の核・ミサイルに対応する3軸体系(キル・チェーン、韓国型ミサイル防衛、大量反撃報復)の核心兵器体系だ。

軍事作戦に完全無欠はありえない。戦場では予想外の変数が現れ、混乱が生じるものだ。それゆえ常に最悪を仮定して準備することが軍の責務だ。これを機に、北朝鮮の核に対応する体系全般を再点検する一方、徹底した訓練と整備・管理で常時臨戦態勢を整える必要がある。