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背中を押された韓銀のビッグステップ、再び油断して政策の機を逸することがあってはならない

背中を押された韓銀のビッグステップ、再び油断して政策の機を逸することがあってはならない

Posted October. 13, 2022 08:56,   

Updated October. 13, 2022 08:56

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韓国銀行が昨日、基準金利を0.5ポイント上げる「ビッグステップ」に踏み切った。史上初めて5回連続で金利を引き上げただけでなく、7月の0.5%引き上げ以降、3ヵ月ぶりに引き上げ幅を拡大した。物価高と「ドル高」の影響で急激に進むウォン安を安定させるための措置だ。しかし、景気低迷と家計負債に対する懸念で小幅、漸進的な引き上げを固守しようとしたが、グローバル経済状況の悪化などに押され、再びビッグステップに踏み切ったという批判は避けられなくなった。

今回の引き上げで、韓国の基準金利は2.5%から3.0%に上昇した。3%台への進入は2012年10月以降10年ぶりのことだ。韓銀の目標値の2%を大きく上回る5%台の消費者物価の上昇率などで、引き上げは予告されたものだった。その上、今年ノーベル経済学賞を受賞したベン・バーナンキ元米連邦準備制度(FRB)議長が、「非常に強いドルのために、アジアなど新興市場が資本流出危機に直面している」と警告するほど、為替問題は深刻だ。韓国も同様に急激にウォン安が進み、原油や原材料の輸入負担が大きくなり、貿易赤字まで急増しており、金利引き上げで対応せざるを得ない状況だ。

問題は、韓銀が昨年8月から基準金利を引き上げ始めたにもかかわらず、今年3月から引き上げた米国に追い越され、韓米金利が逆転したという点だ。3.0〜3.25%である米国の基準金利は依然として韓国より高く、年内に2回の追加引き上げで年末に4.5%程度まで高くなる可能性が高い。韓銀が今年金利を引き上げる最後の機会である11月に大幅に引き上げても、追いつくのが難しい。

状況がこのようになったのは、米国金利が先月まで3連続で0.75%ずつ急激に上昇するのは難しいだろうと、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁と金融通貨委員らが判断ミスをしたためだ。連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長が8月末、「物価が安定するまで金利を継続的に引き上げる」と発言した時も、李総裁は、「韓国金利をこれ以上速く上げることはないだろう」と話した。だが、結局、「0.25%ずつ漸進的に引き上げる」という事前予告を覆し、今回大幅に金利を上げなければならなかった。

韓銀の判断ミスと機を逸するパターンが繰り返されれば、国内外の金融市場の信頼は弱まるしかない。「外貨準備高は不足していない」「年間経常収支の黒字が維持される」という韓銀の発表まで、市場が信じられないことが起きかねない。基準金利と関連して、韓銀はこれ以上生半可に状況を予断したり、形式にとらわれず迅速かつ柔軟に物価と為替相場の変動に対処しなければならない。