ハングルが最近、デジタル技術などと出会い、個性のよみがえったフォントとして生まれ変わっている。機関や企業のアイデンティティはもちろん、商業施設の看板にも活用され、見直されている。
専門家たちは、ハングルフォントの変化には時代像と技術が含まれていると見ている。代表的なのがハングル書体である「宮書体」。西洋では、羽毛のペンや動物の羽毛のように尖った平たい道具を使ったとすれば、東洋では筆を利用して多様な太さと曲線を表現した。朝鮮中期、女官たちが使っていたフォントだった宮書体は、ハングルを柔軟かつ速く書くのにぴったりだった。国民(クンミン)大学視覚デザイン学科のパク・ユンジョン教授は、「筆の柔らかい質感と墨の濃淡が加わり、厚くてふわふわした感じを表現するのが東洋書体の特徴だ」と話した。
ハングルは、他の漢字文化圏と同様に長い間縦書きをしてきたが、光復以降、社会全般にわたって横書きが導入された。基本的に縦書き用フォントは、文字一つを正方形の中に入れる四角形フォントだった。パッチムのある文字とない文字の大きさが異なり、子音と母音28字の組み合わせで1万1172字をそれぞれ別に作らなければならなかった。
横書きが導入され、脱四角形フォントが導入され始めた。1976年、ソウル大学美術学部のチョ・ヨンジェ教授が、学術誌「造形」に「ハングルの機械化のための構造の研究」というタイトルで初の脱四角形フォントを発表したのが始まりだった。その後、アン・サンス体など多様な脱四角形フォントが登場した。パク教授は、「ハングルは初声、中声、終声で構成され、造形美が最大化された文字だ」とし、「脱四角形フォントが導入され、集めて書くというハングルの構造的特徴を生かすことができるようになった」と話した。
ハングルの最大の魅力は効率性だ。英語はアルファベットを一列に解いて書く形である一方、ハングルは子音と母音を利用して単語を作って集めて書く構造だ。フォントをデザインする時、初声にどんな子音が来るかによって、空間全体を配分するのが変わるほど魅力的な文字だという分析だ。
技術的問題を「フォント」で克服することもある。外国映画の字幕として活用される「テ-映画体」は、終わりが丸いが、ここにも歴史的背景がある。以前は、筆耕士が映画字幕を直接書いたが、フィルムに字幕をつける過程で、化学薬品で銅板を腐食させる段階が必要だった。この時、文字が一緒に腐食し、先端が尖る傾向があるが、筆耕士たちは腐食する部分を考慮して画の先を丸くした。
ソウル漢江(ハンガン)体、ソウル南山(ナムサン)体など、ソウル市が都市ブランディングのために作った書体のように個性を生かしたフォントは、アイデンティティを表現する手段として領域を拡大している。ネイバーが作って配布した「分かち合い書体」も、似た事例だ。パク教授は、「機関や企業が、自分の声を出すのにフォントを活用している」とし、「ネイバーや現代(ヒョンデ)カードなど、フォントマーケティングに成功した事例が増え、このような傾向はより一層拡大するだろう」と話した。
イ・ヨンエ記者 yalee@donga.com