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OPECプラスが1日100万バレル減産検討、石油価格急上昇

OPECプラスが1日100万バレル減産検討、石油価格急上昇

Posted October. 04, 2022 08:55,   

Updated October. 04, 2022 08:55

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最近、景気低迷が懸念される中、国際原油価格が急落し、産油国協議体「OPECプラス」が減産に出る可能性が予見されてきた。米国産WTI原油の先物価格は、今年一時、1バレル=123ドル台まで上昇したが、先月末に78ドル台に急落した。第3四半期(7~9月)だけで25%下がった。OPECプラスは先月、1日10万バレルほどの小幅の減産を決定した。米銀大手JPモルガンは1日、産油国が原油価格を1バレル=90~100ドル水準に高めるために、50万バレル以上の減産が可能だと予想した。

しかし、5日(現地時間)に、オーストリア・ウィーンで2020年3月以来初めて対面で開かれるOPECプラス会議で世界の供給量の1%水準の1日100万バレルの大規模減産を検討しているというニュースが伝わり、原油価格の上昇ショックが世界経済に衝撃を与える可能性が懸念されている。ドルで価格が表示される原油価格が下落してきたが、「キングドル」現象によるドル価値の上昇分を考慮すると、米国を除けば欧州、アジアなどの地域の国家には依然として原油価格がインフレを誘発する原因になってきたためだ。このため、減産による原油価格の急騰は、高物価や景気の鈍化に直面した世界経済に追い打ちをかけるものとみられる。

●大規模減産を検討、世界経済への衝撃が懸念

100万バレル減産検討の報道が出た2日午後、ニューヨーク商品取引所で取引の中心である11月物WTIは、82ドルを超えるなど前週末比3%ほど急騰した。ロンドン国際先物取引所の11月分ブレント原油も3.31%上昇した。米国に続き、産油国世界2位のサウジアラビア、3位のロシアが主軸のOPECプラスは、世界の1日の生産量である1億バレルの約4割を占めている。

欧州のエネルギー危機と世界的なインフレの中、急激な原油の減産は、国際原油価格の上昇を誘導し、世界経済のさらなる脅威要因として作用する見通しだ。オアンダグループのエド・モヤ上級アナリストはブルームバーグに、「夏の間、景気悲観論の中で国際原油価格が急落したが、今再び原油価格の上昇リスクが戻ってきている」と話した。ハーバード大学中東研究センターのアデル・ハマイジア研究員は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに、「減産で国際原油価格が上昇すれば物価が上がり、原油価格の需要を萎縮させる可能性がある。一部の国の景気後退を悪化させかねない」と指摘した。

●西側のロシア原油制裁、無力化の可能性

OPECプラスの大規模減産が西側諸国のロシア制裁を無力化するという懸念も出ている。米国をはじめ主要7ヵ国(G7)は先月初め、ロシアが石油輸出で戦争費用を調達することを阻止するために原油の取引価格の上限を設定した。G7が設定した価格以下でロシア産原油を購入しなければ海上輸送を制限することで、ロシアが原油輸出を通じて利益を得ることを阻止することが狙いだ。

しかし、産油国の減産で原油価格が上昇すると、人為的にロシア産原油の価格だけを制限することが難しくなる。中国やインドなどがロシア産原油の購入を増やすなど、西側諸国の制裁に参加しない可能性が高まる。このため、ロシアが積極的に1日100万バレルの減産を支持しているとロイターなどが報じた。米国は先月30日、ロシアがウクライナの占領地域に対する違法併合を宣言すると、米国はロシアに対する大規模な制裁リストを発表した。OPECプラスの主要人物であるロシアのノバク副首相も含まれた。

バイデン米大統領は7月、サウジに直接増産を要請し、米国内の原油備蓄量を解くなど、原油価格の安定に政権の名運をかけてきた。サウジがロシアと手を組んで大規模な減産に乗り出すことは、米国に挑戦的な行為と見ることができる。民主党のカンナ下院議員は、「サウジがプーチン大統領に力を与え、米国を欺く原油の減産に乗り出すなら、米国はサウジへの航空部品の供給を阻止しなければならない」と批判した。


金玹秀 kimhs@donga.com