詩集の4ページにわたる長い詩を、このように少しだけ紹介することになったことを読者と詩人に謝罪する。この作品には、時代を歩いていかなければならない者の不安が含まれているが、全体を読まなければ理解できない。いや、全文を読んでも他人の心情をすべて理解することは不可能なことだ。にもかかわらず、この詩を9月の最後の作品に選んだ理由は、私たちが生きる時代が思わしくないためだ。「最低の詩」というタイトルから、「時代を圧縮する表現」という気がする。
遠い昔、人類が狩猟採集をしていた時は、人間が世界を動き回った。だが詩人は、今や人間に代わって「人間の恐怖が世界を動き回っている」と言う。この言葉は真理に近い。私たちは一つの国、一つの地域、一つの家に住んでいるが、私たちの心は恐怖に震え、全世界をさまよっている。ハリケーンがすべてを一掃し、外国発の金融危機が韓国を襲い、戦争の影響が私たちの日常を揺るがすという。硬いコンクリートの大地に2本の足で立って暮らすが、心は砂浜を歩くように沈み込む。目の前に見える建物は堅固に見えるが、ゴミ袋は簡単に破れる。何かずれた感じがし、矛盾しているという思いが頭から離れない。このような時、私たちは「不安だ」と言う。こういう時、詩人は「壊れている」と表現する。
戦争は、気候は、心は、社会は、安全は一体どうなるのか。私たちの不安はあちこちをさまよう。今ここが最低であり、より深い最低はないことを望む。