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「遅れたけど天職を見つけたい」西大門区の職業体験型工房が人気

「遅れたけど天職を見つけたい」西大門区の職業体験型工房が人気

Posted July. 15, 2022 09:11,   

Updated July. 15, 2022 09:11

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「これは土で作った箸置きに付ける飾りです」

11日午前、ソウル西大門区(ソデムンク)の地下鉄6号線繒山(チュンサン)駅付近にある陶芸工房。ある受講生が土で小さな花模様を作り、満足気な表情でこのように言った。受講生は、「これから花の装飾にきれいな色を塗る」と言って、「色化粧土」(土と染料を混ぜたもの)を取り出した。色化粧土に水を加えると、鮮やかな染料に変わり、花の装飾は多彩な色に変わった。

工房では、10人の受講生が土を練り、陶磁器を作っていた。40代の女性は、「できるだけ滑らかな器を作る」とし、集中して形を整えた。一見すると単なる趣味のようだが、西大門区が運営する職業体験学習プログラム「天職のための時間」の現場だった。

●「天職のための時間」で職業体験

西大門区は管内の住民が趣味と才能を発見し、職業体験までできるよう支援する「天職のための時間」を2年前から開催している。陶芸講座だけでなく木工、裁縫、家の修理、ネイルアートなど約20の分野の講座が年中開かれる。

昼に働く人々のために夜間講座と週末講座も開かれるが、申請は講座ごとに先着順で受け付ける。西大門区に暮らす成人だけが申請可能で、受講料はなく、材料費だけ負担すればいい。区関係者は、「5、6月に受講生を募集し、8月まで教育を行うが、人気があり、すべての講座に『待機者』がいる」と話した。

この日、開かれた陶芸講座は、「知恵を込める、陶芸家課程」。先月13日に始まり、週1回、計8回の講座が開かれる。各講座で多様な陶芸技法を学び、マグカップや額縁など自分だけの作品を完成するのが目標だ。区関係者は、「個人差があるが、望む形を自由自在につくるレベルにまでになる受講生もいる」と伝えた。

講座に参加したチェ・ソンヒさん(52)は、自然環境を活用する「生態美術」専門の「子どもの家」の教師だ。チェさんは、「新型コロナウイルスの感染拡大でしばらくできなかったが、最近再開した」とし、「陶芸を通じて土の特性を学び、レベルの高い教育を子どもたちに提供したい」と話した。

区によると、「天職のための時間」で第2の人生の扉を開く住民も少なくない。昨年開かれたバリスタの講座では、受講生20人全員がバリスタの資格を取得した。

●「人生の趣味」も得る時間

成人対象のクラスなので、講座を聴く理由も講座を通じて得ることも受講生ごとに異なる。チェさんのように職業能力を身に着けるための受講生もいるが、定年退職後の自由な時間を活用する「人生の趣味」を発見しようとする人も少なくない。

陶芸受講生のミョン・リジョンさん(56)は、昨年の冬にしばらく陶芸を学んで興味がわき、今回また受講することになった。ミョンさんは、「草花を育てることが趣味なので、直接花瓶を作ろうと陶芸を始めたが、今は草花を育てることより花瓶を作るほうがおもしろい。講座の時間だけでは物足りなく、家でも作品を5個作った」と話した。

2020年から陶芸講義を担当したパク・イスさんは、「受講生の熱意に毎回感動を受ける」とし、「様々な受講生が共に学ぶことで、アイディアも共有し合い、誰がもっと素晴らしいものをつくるか競っている」と笑った。李性憲(イ・ソンホン)西大門区庁長は、「人生の第二幕を準備する機会になるよう多彩な職業体験活動を提供する」と明らかにした。


イ・チョンア記者 clearlee@donga.com