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人の家のエアコンを掃除して、きらきらと詩を得る

人の家のエアコンを掃除して、きらきらと詩を得る

Posted July. 06, 2022 09:26,   

Updated July. 06, 2022 09:26

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「冷蔵庫の棚を、浴室で洗ってはいけないじゃないですか?」

詩人のチョ・スヒョンさん(51)は、冷蔵庫の出張掃除をしている途中、顧客からこのような声を聞いた。冷蔵庫は「総体的な難局」だった。食べ物のかすがゼリーのように固まり、黒い汚れがべたべたとくっついていた。棚の古い染みを消そうと、浴室で洗浄したところ、顧客から怒られたのだ。

客は、チョ詩人が浴室で掃除することを黙って見守った後、ようやくこれを指摘した。チョ詩人は顧客の要求どおり、無料で浴室掃除までした。顧客は、「現金がないので、冷蔵庫の清掃費は口座に送金する」と話した。腹が立ったが我慢した。食べていくことはみんな苦しいから。しかし、客はお金を送らなかった。最近、チョ詩人が出したエッセイ「心を使うこと、体を使う詩」(ヌルミン・写真)に含まれたエピソードだ。

チョ詩人は3日、東亜(トンア)日報との電話インタビューで、「韓国は肉体労働を蔑視する人が多く、顧客と作業者の間に『甲乙関係』が形成されることが多い」とし、「他人の家の中に入って仕事をする出張清掃は、肉体労働であり感情労働だ」と話した。氏は2015年から、妻と共に家電製品の清掃会社を運営している。

「冷蔵庫やエアコン、洗濯機などの家電製品を掃除します。2人1組の作業基準で2~4時間がかかり、10万ウォン前後を受け取ります。掃除が終わった後、冷蔵庫が傾いたと言い張ったり、作業に入ると家のエアコンを消してしまう顧客に会うと、体を使うことがなぜ嫌われるのか問い返します」

「ブラックコンシューマ」のみ会うのではない。洗濯機を掃除していた彼は、フィルターネットから金のネックレスを見つけた。それを見て顧客が打ち明けたのは夫との思い出だった。この世を去る前に、ドラム式洗濯機とネックレスをプレゼントした夫と顧客の話を聞いて、彼は詩を書いた。「消えた黄色い18金の細いネックレス/水の中のどこかを漂い/まだ洗い切れていない彼を/洗濯のかすの中から連れてくる」(「まだ…」より)

「顧客の本音のような家電製品を掃除していると、詩になる話に出会ったりもします。じっと座って書く文より、現実からすくい上げた詩が人々の共感をさらに得るのではないでしょうか。そんな気持ちで掃除して、詩を書きます」


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com