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ロベスピエールの失脚は雨のためだった?

ロベスピエールの失脚は雨のためだった?

Posted July. 02, 2022 09:21,   

Updated July. 02, 2022 09:21

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1794年7月27日はとても暑く、湿気の多い日だった。フランス恐怖政治の代名詞であるロベスピエールは反対世論を説得するために演説をする計画だった。フランス革命に参加した人々の間で恐怖政治を行ったロベスピエールの失脚を求める声が起こり始めていた時だった。演説当日、ロベスピエールの体調は思わしくなく、声も出なかった。折しも雷を伴った豪雨が降り、演説を聞くために集まった群衆は帰っていった。最後の機会を失ったロベスピエールは、パリコミューンに送る要請文を書いていた時、軍人に逮捕され、その日に断頭台の露と消えた。

天候から自由な歴史はない。著者は古代から現代に至るまでの世界史の変曲点で登場した天候の影響力に注目する。1944年夏、第2次世界大戦当時、連合軍がノルマンディーに上陸できたのは、いつもとは違って静まっていた波のおかげだった。41年のヒットラーのソ連侵攻阻止は、ロシア史上最も寒い酷寒期と大雪が決定的な影響を及ぼした。洪水、日照り、寒さなど天候が人間社会の繁栄や没落に大きな影響を及ぼしたというのは興味深い。

著者が言及した最後の例は、2005年大西洋に起こったハリケーン「カトリーナ」。カトリーナによって米ニューオリンズだけで約1400人が犠牲になった。堤防や運河、ポンプなど洪水を防ぐための施設を備えていた所だ。カトリーナは米国人に、いかなる先端技術も大自然を鎮めることはできないという悟りを与えた。著者は、人間が気候の変化に一部影響を及ぼしたことは認めるが「人間ではなく自然的要因によっても気候は突然変わり得る」と話す。著者は、気候の変化が人類史で繰り返されることも強調する。


キム・テオン記者 beborn@donga.com