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三日月の夢

Posted June. 03, 2022 08:48,   

Updated June. 03, 2022 08:48

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詩に刻まれた三日月と言えば思い浮かぶ未堂(ミダン)の「冬天」。「私の心の中のあなたのきれいな眉毛を/暮れる夜の夢で清らかに洗って/空に移して植えておいたら/冬至の大晦日に飛ぶ怖そうな鳥が/それを知ってるフリをしながら避けていく」

未堂は、「暮れる(千日)の夜の夢で清らかに洗った」三日月から、近づけない冷たさと純粋さを読み取った。空を飛んでいた「怖そうな鳥」さえも、その前ではこっそりと避けていくほど。詩人は冬天にかかった三日月を、驚異と知性で眺めただろう。

「冬天」の三日月が見せる絶対者(あなた)に対する畏敬の念や象徴性とは比較できないが、三日月の隠れた威力を認めた点ではこの詩もあまり変わらない。まだ半月にも及ばないが、「はっきりと青空のほとりにかかった」姿から三日月の無限の可能性がひらめく。「眉毛のような三日月、小さいと言わないで」という堂々とした訓戒は、遠くないうちに天地を明るく照らすだろうという自信から始まったのだ。

変わったことに、詩人の名前は繆氏の「息子」と記載され、作った人が幼い子供であることを意図的にほのめかした。繆氏に詩才に優れた7才の息子がいるという噂を聞いた唐の玄宗が、子供を呼んで即席で作らせたのがこの詩だというエピソードが伝えられている。子供が眺めた三日月のきらきらした形状と潜在力、これは今はたとえ微弱な存在だが、いつか世の中を明るくすると誓った多くの学者たちにも慰めと励ましになっただろう。