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韓銀総裁「インフレが終われば長期低成長が来る可能性」

韓銀総裁「インフレが終われば長期低成長が来る可能性」

Posted June. 03, 2022 08:48,   

Updated June. 03, 2022 08:48

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李昌鏞(イ・チャンヨン)韓国銀行総裁(写真)は2日、「インフレが落ち着いた後、韓国やタイ、中国など人口高齢化問題に直面した一部の新興国で、物価安と低成長の環境が到来する可能性を排除できない」と警告した。

李総裁は同日、ソウル中区(チュング)にあるウェスティン朝鮮(チョソン)ホテルで開かれた「2022年の韓銀(BOK)の国際カンファレンス」の開会の辞を通じて、「今回のインフレが落ち着けば、長期停滞(secular stagnation)の流れが再び現れる可能性がある」としたうえで、このように明らかにした。

その時は、新型コロナウイルス感染症の危機に対応して使った基準金利引き下げなどの緩和的通貨政策は、あまり功を奏しないだろうという分析も出した。

李総裁は、「今後、個別新興国は構造的低成長の危険に直面し、一人で拡張的政策を継続するならば、為替相場や資本流れ、インフレの期待に及ぼす含意が全く違うだろう」と見通した。グローバル金融危機や新型コロナの危機の時のように、大規模なグローバル流動性が後押しされない状況で、低成長への対応のための新興国の拡張的政策は、副作用がさらに大きい可能性があるという。それと共に、「自国の低物価・低成長局面に備えた効果的な非伝統的政策手段が何なのか、今後解決していかなければならない課題だ」と付け加えた。

李総裁は、韓銀が「物価安定」という基本的な役割だけに集中すればいいのかについても、疑問を提起した。李総裁は、「パンデミックの衝撃と回復が階層や部門別に不均等だったため、二極化現象が高いインフレでさらに深刻化する可能性がある」とし、「中央銀行の社会的責任に対する要求が続くだろう」と話した。そして、「通貨政策だけでは、このような問題を解決するのは難しい」と話した。

同日、カンファレンスの基調演説に出た国際決済銀行(BIS)のシン・ヒョンソン調査局長は、「最近、原材料価格の急上昇と高い変動性が経済成長を制約し、インフレを刺激する要因として働くだろう」としながらも、「世界経済の原油依存度の減少と強固な政策体制などを勘案すれば、1970年代のスタグフレーション(物価上昇の中での景気低迷)が再現される可能性は低い」と見通した。


朴民優 minwoo@donga.com