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生と死の循環

Posted May. 12, 2022 08:55,   

Updated May. 12, 2022 08:55

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生を受けたすべての生命は、いつかは死ぬ。この明らかな事実をわからないはずはないが、実際に死が近づけば誰でも恐れる。フィンランドの画家、アルベルト・エデルフェルトは、25歳の青年だった頃、死を主題にした絵を描き、その絵をパリのサロンに出品した。異国の若い画家はどうして、わざわざ死を主題に選んだのか。絵はサロンでどのような評価を受けたのだろうか。

エデルフェルトはフィンランド南部の美しい漁村、ポルヴォーで生まれ育った。二十歳の頃にパリに行き、そこで修学し、画家として活動したが、休暇シーズンには帰ってきて故郷の風景と人々の姿を描いた。この絵も、ポルヴォー近郊のハイコの海辺を背景に描かれた。

 

まるで映画のワンシーンを連想させる絵には、船に子どもの棺を載せて移動する6人の人物が登場する。家族と思われる人々は、それぞれの深い悲しみを各自の方法で耐えている。左側の黒い喪服の老婆は顔をゆがめ、その近くの女性は遠い海に視線を向けている。櫓を漕ぐ男たちの表情も非常に厳粛だ。中でも少女は、誰よりも悲しみが大きいようだ。片手で花をぎゅっと握りしめている。まだ家族を送る準備ができていないようだ。エデルフェルトが家族の死を主題に選んだのは、自身が直接経験した内容だからだろう。エデルフェルトもまた幼い頃に父親を亡くしたので、喪失の苦しみは誰よりもよくわかっていた。そのため残された母親とは生涯絆が深かった。家を出ている時は数百通の手紙を送り、母親を案じた。

完成された絵は1880年にサロンで展示され、大きな反響を得た。フィンランドの画家としては初めて3等賞を受賞した。フランスの批評家は、家族の死を感傷的に表現しすぎることなく、生と死の循環を受け止めるある家族の高貴な姿を描いているとして賛辞を惜しまなかった。画家も死を考え、そばにいる人を愛するよう勧めていようだ。

美術評論家