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110の国政課題に209兆、増税せずに実現する妙策があるのか

110の国政課題に209兆、増税せずに実現する妙策があるのか

Posted May. 04, 2022 08:49,   

Updated May. 04, 2022 08:49

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の政権引き継ぎ委員会が3日、新政府の110の国政課題を発表した。国政運営の原則としては、国益、実用、公正、常識の4つを定めた。国政課題の履行には209兆ウォンを要すると推算した。大統領選で明らかにした266兆ウォンより減ったが、本年度予算の3分の1にのぼる莫大な規模だ。財源は予算支出の構造調整、経済成長にともなう税収増加などを通じて調達するという。

財政が効率的に使われ、経済の活性化に役立つなら、投入規模だけで非難することはできない。しかし、政権引き継ぎ委員会が公言してきた小規模事業者・自営業者の損失補償、基礎年金・兵士の給与引き上げなどは、大統領選時のばらまき公約の履行にかかる支出だ。経済体質の改善や成長潜在力の向上とは距離がある。自営業者の支援に必要な30兆ウォン台の追加更正予算の財源の調達にも困難を来しており、基礎年金、兵士の給与引き上げにも毎年数兆ウォンを要する。相続税、総合不動産税などを引き下げると言いながら、年平均41兆8千億ウォンの財源をどのように調達するのだろうか。

政権引き継ぎ委員会の設置当初、尹氏は国政課題の選定について、小さくても実現可能な課題から推進するよう指示した。政権引き継ぎ委員会の安哲秀(アン・チョルス)委員長は、「30大課題を設定し、集中して約束を守るのが望ましい」と述べた。にもかかわらず、文在寅(ムン・ジェイン)政府の100大国政課題や李明博(イ・ミョンバク)政府の193の課題、朴槿恵(パク・クンヘ)政府の140の課題と別段大差ない課題を提示した。歴代政府の羅列式国政課題は言葉だけだったり、政策の柔軟性と変化が必要な時に政府の足を引っ張る結果となったりするケースが多かった。現政権は、任期初期に最低賃金の引き上げ、週52時間制の導入などの課題を強行し、成長率の低下と雇用の減少、自営業者の負担加重など大きな副作用をもたらした。

昨今のように世界経済の秩序が急変し、予期せぬ危機がいつでも迫る時代に、政府は何よりも財政を堅固にしなければならない。拘束力のある財政準則を導入するという新政府が、国の借金急増を招く課題を全て推進するというのは自己矛盾だ。優先順位の低い課題から大胆にメスを入れなければならない。任期初期に大層な目標や課題に税金を注ぎ込めば、遠からず国民に負担を課すことになりかねない。