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地下冥界を支配する「ミクトランテクートリ」、韓国で初公開

地下冥界を支配する「ミクトランテクートリ」、韓国で初公開

Posted May. 03, 2022 08:47,   

Updated May. 03, 2022 08:47

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地下の冥界を支配する死の神が、死者を驚かせようと両手を高く上げて滑稽な表情をつくる。高さ176センチ、重さ128キログラムの巨体だが、口を開けて笑う表情は恐ろしいというよりもあどけない。13~16世紀にメキシコ中央高原で栄えたアステカ文化の「ミクトランテクートリ」の像だ。アステカ人は、人間が地下の冥界の巨人の骨で創られたと信じた。死があるゆえに生もあるということを信じたのだ。

メキシコに2点だけ現存するミクトランテクートリの像が、3日に開催された国立中央博物館の特別展「アステカ、太陽を動かした人々」で国内で初めて紹介される。韓国・メキシコ修交60年を記念して開かれる今回の展示では、メキシコ国立人類学博物館やドイツのリンデン博物館など11の海外の博物館の所蔵品208点が展示される。アステカは、マヤ、インカとともに中央アメリカの3大文明とされる。

5部で構成された展示は、1521年のスペイン征服者の侵略までのアステカの生活像を見せる。第1部では、アステカの傑作「太陽の石」を再現した3Dの造形物が目を引く。太陽の石は16世紀初め、アステカ王モクテスマ2世が制作した直径358センチ、厚さ98センチ、重さ25トンの大型の円形の石造物だ。3D造形物の上に、生命の源泉である太陽を守るための犠牲祭の映像が投射される。第2部「アステカの自然と人々」では、穀物を手に握ったとうもろこしの神「シロネン」の彫刻像など風と穀物を形象化した土着神に会うことができる。

第3から第5部では、アステカ最大都市テノチティトランの威厳が紹介される。14~16世紀、テノチティトランの全景を描写した絵を背景に、巨大な「鷲の頭の石像」が展示される。ソウル汝矣島(ヨウィド)面積の4倍にのぼるテノチティトランには、40以上の言語を使った20万人が暮らした。鷲の頭の石像は、都市中心部の神殿の建物の外壁を飾った彫刻像で、アステカ文化では太陽を象徴する。

テンプロ・マヨール神殿から2015年頃に発掘された奉献物約80点が、今展示で初めて公開される。鼓やふえなど楽器の石造物や祭事用の土器が中心だ。考古学者らは、アステカ神話で芸術の神を象徴する「ショチピルリ」に捧げる一種の供え物と見ている。テンプロ・マヨール神殿は1521年にスペイン征服者のコルテスによって破壊された。1978年から始まった発掘調査が現在も続いている。8月28日まで。3000~5000ウォン。


イ・ソヨン記者 always99@donga.com