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立法独走で紙切れになった先進化法、なぜ作ったのか

立法独走で紙切れになった先進化法、なぜ作ったのか

Posted April. 28, 2022 09:09,   

Updated April. 28, 2022 09:09

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与党「共に民主党」が27日、国会法制司法委員会で、「検捜完剥」(検察捜査権の完全剥奪)立法を強行処理した。新政権の発足に伴い与党となる保守系野党「国民の力」が、法司委全体会議の前に案件調整委員会の構成を求めると、「共に民主党」は離党した無所属の閔炯培(ミン・ヒョンベ)議員を含めて4対2で通過させた。引き続き開かれた全体会議でも、「共に民主党」は「国民の力」を排除し、起立採決で検捜完剥法案を単独処理した。法案の上程から通過までにかかった時間はわずか8分だった。「共に民主党」が本会議を直ちに開こうとすると、「国民の力」はフィリバスター(議事妨害)で対抗すると言った。新政権発足を控えて見苦しいドタバタ国会が再演されたのだ。

国会先進化法は、多数党の立法独走を阻止するために少数党の役割を強化するという趣旨で、与野党が合意して2012年5月に導入された。少数党が懸念する争点法案処理を熟考するための案件調整委を構成し、少数党議員のフィリバスターを許可するというのが骨子だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も野党代表だった15年9月、メディアとのインタビューで、「先進化法は、対話と妥協による合意の政治を実現する」と肯定的に評価した。

しかし、「共に民主党」が検捜完剥法案を処理する過程では、このような立法趣旨は完全に姿を消した。閔氏を故意に離党させ、法司委案件調整委の可決に必要な無所属議員に含めた。慣例的に案件調整委員長は最高齢の議員が務めることを狙って、高齢の金振杓(キム・ジンピョ)議員を何の関連もない法司委に辞補任した。一方的な立法強行を阻止するために導入された先進化法の中身は消え、うわべだけが残ったのだ。これではなぜ法を作ったのか。

 

先進化法が無用の長物になったのには、「国民の力」も責任がないわけではない。「国民の力」の前身のセヌリ党は、与党時代、先進化法が野党の防壁になったと批判した。6年前に先進化法を掲げて法案処理をしない国会議長が国会議員の立法権を侵害したという理由で、権限争議審判を憲法裁判所に出したりもした。憲法裁判所が却下したことで、先進化法は命脈を保っているが、「共に民主党」に先進化法の「見せかけ」の活用の口実を与えたわけだ。

与野党いずれも先進化法の根本の趣旨には共感するだろう。にもかかわらず、その時々の議席数や政治的有利・不利を考えて、先進化法を自分勝手に解釈したり悪用したりすることが繰り返されている。これでは、政治文化の先進化はますます遠のき、対決と葛藤の政治だけが続くだろう。尖鋭な争点法案は十分な熟慮と協議を経るという先進化法の趣旨は守られなければならない。