Go to contents

国政ビジョン、バランス感、斬新さが見えない「尹マイウェイ」組閣

国政ビジョン、バランス感、斬新さが見えない「尹マイウェイ」組閣

Posted April. 15, 2022 08:02,   

Updated April. 15, 2022 08:02

한국어

尹錫悦(ユンソクヨル)政府の第1期内閣の人選が完了した。尹氏は14日、雇用労働部と農林畜産食品部の長官候補を最後に首相と18省庁長官の人選を終えた。今回の組閣は、単にどのような人物で新政府を構築するのかという問題だけではなかった。包容と不偏不党の意志はあるのか、人材プールはどれほど豊かなのか、どのように国政を運営するのかを示す試験台でもあった。結果的にバランス感や斬新さは見られず、国政の大きな絵も確認できないという評価が少なくない。

 

尹氏は「割り当てや配分はない」とし、「実力主義」を強調してきた。有能な人を探して指名してみれば、自然に地域、世代、男女などのバランスが取れるという説明だった。しかし、どれほど幅広く公職能力が検証された斬新な人材を見出そうと努力したのか疑問だ。「検察側近」、「高校の後輩」、「40年来の親交」などを抜擢したという論議に包まれ、狭い人材プールの限界を露呈した。

首相に指名された韓悳洙(ハン・ドクス)氏は、国会承認の通過を考慮したカードだったのかもしれないが、高額顧問料など様々な検証問題が起こっている。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンヘ)政府に身を置いた人物も多く目につく。首相、経済副首相、大統領秘書室長が皆経済官僚出身だ。敵味方を越え、実力のある人物を登用すると言ったが、包容人事も見当たらない。どのような理由からか、安哲秀(アン・チョルス)政権引き継ぎ委員長側の要人は一人も入閣できなかった。共同政府危機論が流れている。

 

地域や世代、男女のバランスを合わせるために無理に人を継ぎ合わせても困るが、これを度外視するように映ったことも残念だ。長官候補のうち7人が慶尚道(キョンサンド)だ。全羅道(チョンラド)は韓氏を含め2人だけだった。ソウル大学と高麗(コリョ)大学出身が絶対多数だ。女性は3人だけだった。満49歳の韓東勲(ハン・ドンフン)法務長官候補のほかには全員50代以上だ。躍動性に欠けるという懸念の声も出ている。

各人は専門性を備えているのかもしれない。しかしより重要なことは、内閣の調和だ。尹氏は責任首相、責任長官を強調したが、韓氏の人事推薦は形式的に行使されたような印象だ。「韓悳洙内閣」のカラー自体が曖昧で、ややもすると首相と長官が別に動く結果につながりかねない。尹氏はどのようなビジョンと目標を持って経済、外交、福祉など国政を運営するのか、長官たちにはどのようなミッションを実行させるのか、今からでももう少し明確に国民に説明する必要がある。また、次官などの人事を通じて、長官人事で指摘されたバランス感と斬新さを補完しなければならない。今回の組閣で尹氏の「マイウェイ人事」スタイルだけが確認されたようで非常に残念だ。