Go to contents

10年ぶりに4%上昇した物価、抑えられなければ経済立て直しは望めない

10年ぶりに4%上昇した物価、抑えられなければ経済立て直しは望めない

Posted April. 06, 2022 08:43,   

Updated April. 06, 2022 08:43

한국어

3月の消費者物価の上昇率は4.1%で、10年3カ月ぶりに最高を記録した。世界がコロナ禍の影響圏から徐々に抜け出し、需要は増えるのにウクライナ戦争などで原油や原材料、農畜水産物の生産と供給に支障が生じているからだ。エネルギーや原材料の大半を輸入している韓国としては、避けがたい悪材料だ。物価に最も大きな影響を及ぼしたのは、31.2%も高騰した石油類だ。穀倉地帯のウクライナやロシアが戦火に巻き込まれ、小麦粉や食用油などの農産物の価格が大幅に値上がりした。外食費も高騰し、食事を社内食堂で済ます会社員が増えている。日常関連の物価が軒並み値上がりし、生活物価は5.0%も上昇した。

問題は、物価をさらに引き上げる要因が山積していることだ。戦争はいつ終わるか分からず、崩壊したグローバルサプライチェーンの復旧時点は不透明だ。米国が戦略備蓄油を供給して国際原油価格はしばらく下落したが、産油国の増産がなければ再び上がらざるを得ない。政府が大統領選挙後に時期を見合わせている電気やガスなどの公共料金の引き上げは、これ以上放置すれば、韓国電力などが揺れる危険な状況だ。労働界は、物価高騰を理由に、来年度の最低賃金を8.5〜10%引き上げようと主張する。尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が約束した「50兆ウォンの補正予算」も、同時に市場に流れれば、物価を不安にさせかねない。

来月10日に発足する次期政府は、李明博(イ・ミョンバク)政権発足の初年度と同様の経済状況を迎えるだろうという分析も出ている。2008年に国際原油価格が1バレル=140ドル台まで高騰し、消費者物価は5%台まで上昇すると、李政府は生活必需品を中心に「MB物価指数」まで作って物価を管理したが、効果はほとんどなかった。この時から経済政策がうまくいかず、任期中苦労しなければならなかった。米国と中ロの新冷戦と、これによるグローバル供給網の再編が始まった段階という点で、現在の状況は14年前に比べて決して有利ではない。

最近、政権引き継ぎ委員会で経済問題を講義した専門家は、「成長できなくても国民は許すが、インフレを押さえなければ許さない」と助言した。物価高は、低所得層に否定的な影響をさらに大きく及ぼし、二極化の問題を悪化させる。原材料価格の上昇で、企業や自営業者の収益性が悪化すれば、雇用も減少せざるを得ない。全ての問題をブラックホールのように吸い込む物価不安に足を引っ張られれば、いくら名分のよい改革政策も推進力を失うことになる。経済は今、総体的な非常状況だ。大げさな目標を提示するよりも、国民一人ひとりの生活に役立つ対策づくりに集中しなければならない。