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ロシア軍、撤退か計略か

Posted April. 05, 2022 08:39,   

Updated April. 05, 2022 08:39

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ロシア軍が、ウクライナの首都キーウから撤退を始めた。多くの兵士が国境を越えてベラルーシに入った。終戦のためのジェスチャーだろうか。あるいは、戦闘を続けることが困難なほど戦力が失われた軍隊を再整備し、休息を取るためだろうか。再整備後に再びキーウを攻撃するのか。あるいは、キーウ方面はウクライナ軍を縛っておく程度で満足し、ドンバスとクリミア半島をつなぐ東部戦線に軍を集中するという計略だろうか。恐らく後者の可能性が高いとみられる。また、一つ計略を加えるなら、東部の戦略要衝に軍を集中する一方、西部戦線では占領地域から撤退し、ウクライナ軍を分散させ、特定地域にウクライナ軍を誘導して決戦を行う可能性もある。

どの場合でも、第1ラウンドはウクライナ軍の善戦とロシア軍の迷走で終わった。ロシア軍の計略も成功することは容易でない。ウクライナ軍と西側諸国は、計略の可能性を認知しており、休息期に兵力と武器を補強する動きを見せている。ロシアの体力回復より、ウクライナ軍の強化のほうが早いかもしれない。もしかすると小康期の後に東部戦線で今よりさらに激しい戦いが起こる可能性もある。

多くの人が、ロシア軍のあのような体たらくの理由は何かと尋ねる。様々な要因があるが、目につく理由の一つは、組織力の不足だ。ひとまず戦略的に散漫で戦力が分散した。統合指揮部と統一された戦略がないのではないかという声もある。空軍と陸軍、機甲と歩兵、諸兵科連合部隊の協力も十分ではなかった。ウクライナ軍を軽く見たためだろうか。 実戦の経験不足からだろうか。プーチン大統領の独善のためだろうか。

独裁国家の軍隊の典型的な特徴が協力の不足だ。一見するとその反対のようにみえる。強力な権力が軍を一糸不乱に統率するのではないのか。パレードではそうだ。しかし、不当な権力であればあるほど、軍の団結を警戒する。指揮部を分け、将軍たちを互いに牽制させ、部隊の間を引き裂く。戦争の勝敗には様々な要因があるが、体制の健全性がそれゆえ重要だ。政治が軍に無関心になることはできない。しかし、政治論理が介入しすぎれば、軍は必ず弱くなる。