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ポストコロナの「海外旅行の法則」

Posted March. 30, 2022 08:39,   

Updated March. 30, 2022 08:39

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会社員のイさん(24)は、6月出発のハワイ往復航空券を140万ウォンで購入した。新婚旅行の予約が殺到し、オフシーズン基準で新型コロナウイルス感染拡大前より2倍も高い値段だったが、迷わず決めた。イさんは、「航空券の他にもホテルや食費などの経費だけで200万ウォン以上かかりそうだが、行ける時に行くのがいい」とし、「ブランドのかばんを買わないと思えばいい」と話した。

海外入国者隔離免除の政府発表を受け、航空券や旅行商品が完売し、海外旅行の需要が爆発的に増えている中、「ポストコロナ時代」の旅行トレンドが以前とは一変している。値段にこだわらず、日程から確保する「フレックス現象」が顕著になり、数ヵ国を訪れるよりも一国の小都市ツアーやリゾート地を好む傾向が強まった。

29日、旅行会社モドゥツアーによると、11日の隔離免除の政府発表後、最近2週間の新規予約数が、直前の2週間よりも472%増加した。特に、一国だけに滞在して中小都市を観光する商品が多くなった。これまでは「西欧4ヵ国」といった隣接国を訪れる商品が多かったが、今は「トルコパーフェクト1周9日」のように一国に長く滞在するのが大勢だ。業界関係者は、「新型コロナ禍の前はマルチ国家商品が6割を超えたが、現在は単一国家商品が8割にのぼる」と話した。新型コロナウイルスの感染拡大で、国境を越える際の入国手続きが複雑になったためだ。

トルコやアラブ首長国連邦、ドバイなどこれまで不人気だった旅行地の躍進も目立つ。モドゥツアーによると、最近2週間の欧州および近隣地域内の新規予約の割合は、トルコ(29%)、スペイン(28%)、中東(26%)、西欧(10%)の順となった。2019年の同期間には、スペイン(28%)、西欧(27%)、北欧(20%)が上位圏を占めており、トルコと中東はそれぞれ4%と5%にすぎなかった。これは、国内の航空会社がまだ西欧や米国などへの長距離航空便の再開を本格化していないため、トルコや中東国籍機への依存度が高まったためだ。業界関係者は、「航空便がある国の中で選ぶ人が多い」と話した。

航空便の再開が本格化していないうえ、原油高で航空券の価格が以前よりも大きく上がったが、消費者はあまり気に止めていないというのも変わった点の一つだ。航空券統合予約サイトによると、7月第1週のオーストラリア・シドニーの往復航空券の最低価格は180万ウォン。19年7月に中国南方航空が特価で出した往復航空券は約35万ウォンだった。航空券価格が数倍に上がったが、予約率には大きな影響がない。海外旅行が2年ぶりに再開され、消費者の価格の抵抗力も低下したとみられる。

人気の旅行先も、観光地からリゾート地に変わった。新型コロナ禍による疲労感などでリゾート地が人気となり、国内航空会社がハワイ、グアム、セブ島、サイパンなどのリゾート地中心に1~3月期の国際線運航を再開したためだ。コロナ禍で先送りにしていた新婚旅行の需要が増え、ハワイやモルディブなどが人気を呼んだことも影響を及ぼした。会社員のカンさん(26)は、「遺跡や有名な建築物を訪れるのもいいが、新型コロナ禍前のように水着を着て青いビーチと白い砂浜で休みたいという思いが強い」と話した。


オ・スンジュン記者 ohmygod@donga.com